2011年9月1日木曜日

土壌汚染による低線量被曝

文科省は放射性セシウム(セシウム137、セシウム134)に撚る土壌汚染のデータを8月29日に発表し、マスコミの多くは30日付けで報道したと教えてもらいました。
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/distribution_map_around_FukushimaNPP/0002/11555_0830.pdf

土壌の放射性物質による汚染のおよその状況が把握されたというのは意義深いですね。この発表をみると、現在測定されて公表されている空間線量のマップとぴったり重なっており、これら土壌表面付近の放射性物質が原因であることがはっきりしました。

山賀さんが問題にしておられる55.5万Bq/m2という汚染レベルは、学習院大の田崎先生の概算(http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/housha/docs/BqToSv.pdf)を参考にすると空間線量では年間10mSv程度でしょうか。(下記チェルノブイリを参考にすると、2.5mSv/y?)

現在政府対策本部の方針では、当面20mSv/yを超える地域では、国が除染をして、1-20mSv/yの地域では市町村がが「市町村による除染実施ガイドライン」に従って、1mSv以下にすることを目標としているようです。
http://www.meti.go.jp/press/2011/08/20110826001/20110826001-3.pdf

今回明らかになった土壌汚染分布に基づいて必要な除染をするべきですが、いずれにしても低線量なので、過剰なレベルを目指した除染はコストが不必要に高まりますので注意すべきと思います。

なお、チェルノブイリで、55.5万Bq/m2以上の強制移住地域(strictly controlled zones、SCZ、厳戒制限区域)の基準となったという話ですが、事故後20年のWHOの報告書では、その内部に27万人が住み続けていたという話です。
基準ではあっても本当に移住を強制されたわけではないようですね。20年間この地域に住み続けた27万人は20年間で50mSv以上の被曝をされたそうです。
http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs303/en/index.html
http://www.healthcare-m.ac.jp/app/gm/archives/4241(上記の解説)

20年間で50mSvというのは2.5mSv/年で、自然放射線レベルが2倍になった程度です。被害の程度がはっきりしないレベルですね。チェルノブイリ事故での対策が今の日本の福島原発事故の対策に比べてより良いのかどうかは議論の余地があると思います。

避難地域に指定されていない地域に元々住んで働いておられて、原発事故後に家族を実家に避難させ、自身も引っ越して一方仕事は福島で続けているという方が経済的に苦しんでいるという新聞記事を見ましたが、このような方々に本来不必要な避難を続けさせ、風評被害を発生させて被災者を困窮に追い込んでいるのは、放射線被曝の恐怖を煽ってきた一部の「専門家」やマスコミです。マッチポンプと思いますね。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

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