2009年10月16日金曜日

前原大臣の手法-政治主導

前原大臣は、八ツ場ダム、羽田ハブ化と、関係者に根回しをせずに、止める、やると先に言ってしまうという手法をとっています。話はわかるが先に関係者に相談してからやればいいのに、といった声もメディア上には多いようです。しかし、前原大臣は、関係者に相談すればやれなくなるので、先に結論を出しているのだと思います。

これが政治主導ということなのでしょう。ダムの地元民も、成田空港関係者も、既得権益を持っているのですから、止める、といえば反対するに決まっているのです。みんなが納得するまで話し合ってと言っていれば決着はできないでしょう。

これまでの(自民党政権下の)官僚政治は基本的に調整型の政治だということです。急変はしない代わりに、坂道をゆっくり転がるように深みにはまっていきます。いわゆる「ゆでがえる」ですね。成田の方が羽田よりよい、という人はほとんどいないはずです。(私などは成田の方が近いのでありがたいのですが、明らかに例外組です。)

それでも、ずるずるときているのは、被害を受けてきた地元や、これまでの経緯を考えれば、すっぱり羽田中心と大きい声ではいえないできたということで、多数にとってどちらを中心にするべきかを、合理的に検討した結果ではなかったためです。実際は国土交通省は少しずつ羽田の拡大、国際線の導入を進めてきていたので、「羽田をハブに」という表現以外は、関係者には周知の事実です。森田知事が驚いて寝られなかったというのは、単なるパフォーマンスでしょう。

政治主導でやるというのは、これまでのしがらみを自民党の責任として切り捨てればよいということにして(民主党が思っている)必要な政策転換ができるということです。国民全体としてみれば、良いことも悪いこともあるでしょうが、しがらみで糊口をしのいでいる業界も、労働者もいるのですから、当事者には気がかりなことですね。

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