2011年2月10日木曜日

自動車の将来

日産リーフや三菱i-MiEVアイ・ミーブの現状を調べてみると、やはり電気自動車EVというのは一定の魅力はあるものの現在の自動車の状況をガラリと変えるような商品としてのパワーはないと思います。倉庫の中のフォークリフトはすべて電気自動車ですね。適材適所ということです。

2ちゃんねるや価格コムなど匿名の掲示板では、電気自動車に関して、しばしばこれからはEVの時代だ、EVはまだ力不足だといった議論がされていますが、現在のEVを語るのに石油がなくなった後の時代を語ったり、電池技術がブレークスルーを行うことを前提にしたり、印象や好みに基づいたトンチンカンな議論が目につきます。もちろん中には技術を分かっている人の書き込みもあり、それは参考になります。トンチンカンな記述は、世の車好きという人たちでもこれほど勘違いしているのかと再認識するうえでの参考にはなります。なるほどこのような考えを持っていれば、実車を見ないで300万円の日産リーフを私費で予約して購入するというという(私には理解不能な)勇気を持つ人が少なからずおられることも理解できます。

実は、トンチンカンな議論は「自動車評論家」の看板を出している人にも珍しくないのです。電気も、資源動向も、環境問題も半可通のままで、印象に基づいた主張をする人がとても目立ちます。また、自動車メーカーは(言いたいことしか言わないという企業として当たり前のことですが)情報発信をコントロールしています。自動車業界周辺で食べているメディアなどは、メーカーと二人三脚で動いているので、メーカーが嫌がることは言いません。一般メディアもメーカーのCM料に強く依存している限り、業界メディアと同工異曲となりますが、これも当たり前です。

結局、科学と事実に基づいて自動車技術、自動車社会の将来を語れる論者が貴重ですね。私が信頼しているブログサイトは以下の2つです。
1)安井至 市民のための環境学ガイド
2)Cordia blog Think about Future Mobility

1)安井先生は、環境化学がご専門ですが、いろいろな事象を科学的に分析して意見を発信しておられます。自動車に関しての造詣も深く、信頼できると思います。

2)Cordiaの八重樫さんは、トヨタ・プリウスの開発の中心人物であった方です。その情報発信については、トヨタに不利なことは言わないだろうと色眼鏡でみる人もいるでしょう。しかし、記事を読めばわかりますが、自動車技術に誠実で、資源環境の課題に対しても視野が広い発信を行われている素晴らしいサイトです。自動車に関しては、現在の技術と今後の予測をまともにすれば八重樫さんのような見方になると思います。

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