2011年2月14日月曜日

日産リーフ オーナーによる走行レポートが続々と

日産リーフの納車がの進行につれて、オーナーの使用記がネット上でみられるようになってきました。
「みんカラ」では
http://bit.ly/fQK5gh
3人の方がレポートを始めておられます。その他に、納車された、まもなく納車という方もおられます。

始めての量産EVを個人で購入し、このような場で情報発信をしようというような人々は、いわゆるイノベータとよばれる層であって、「冒険心にあふれ、新しいものを進んで採用する人。市場全体の2.5%」(マーケッティング用語集http://bit.ly/394vIL)といわれる商品の実用性よりも新規性を重視した先進的なユーザーです。EVの利点も欠点も理解して、その利点を体験することが購入のインセンティブになっているというわけです。

このようなユーザーの声が日産リーフの成功に大きく関わってきそうで注目されるわけです。これまで、試乗してみて、素早い加速などに好印象を持ったという記事がブログなどでたくさん発信されてきましたが、これはリーフの特徴の一つではありますが、その商品価値の一面でしかありませんでした。使い勝手、コストなどの実際の情報、それもコストなど二の次の法人のものでなく自分の財布で負担するオーナードラバーからの情報が貴重なわけです。

さて、上記「みんカラ」やツイッターでのレポートでは、いずれも電費節約のため寒さに苦しんでいるという声が多いようですが、概ね走り自体は良好のようです。納車後数日で遠出をしてはらはらしたとか、エアコンのオンオフ、高速、上り坂下り坂で表示される推定可能走行距離が大きく変わるとか、興味深い情報が多いです。サービスエリアや役所やガソリンスタンドなどの充電ポイントを探しては急速充電を繰り返して遠出をしたといったレポートがあります。遠出をするためには、そのような方法しかないわけですが、一般論としてはリーフではそのような用途は勧められていないはずです。

想像ですが、リーフで想定されているのは、普段は通勤で毎日10-30km程度使う。週末に数十~100km程度使う。自宅で普通充電を週に1-2回する。急速充電は年に数回、緊急用として行うというようなものではないでしょうか。日産のサイトのQ&Aやマニュアルでバッテリーの耐用年数の質問に答えて言っている、「使用状況によって差はありますが、…5〜10年経過時で70〜80%程度の残存容量を見込」む、「急速充電は最小限に抑える」というのは、このような使い方を想定していると思います。

充電スポットをあてにして遠出をするユーザーが増えてきたら、充電器が塞がっているという状況が増えてきて実用的ではなくなってくるでしょう。今はEV車が殆ど走っていないので施設のオープン時間だけ気にしていればよいでしょうが、いくら急速充電といっても30分かかるので、もし2台待ちなんて状況に遭遇したら、充電器が空くのを待って1時間、自分の充電に30分と待ち時間が尋常ではなくなります。それでは予定を立てた旅行は無理でしょう。

結局、通勤、日常的な買い物で、週に150km程度クルマを使うのみ、充電は週に1回普通充電というニーズには応えられそうです。これは、よくある軽自動車などのセカンドカーの使い方です。このようなニーズでは100万円程度のクルマであれば十分市場性があるでしょうね。現在リーフもi-MiEVもバッテリーのコストは200~250万円程度についていると想像しますが、1/5程度にコストダウンできればよいということになります。もちろんこんなことは当たり前の話で、それができないからどのメーカーも苦しんでいるのです。

日産リーフの走行レポートはメーカーにとっても貴重な情報だと思います。一方で、現在のイノベータ、これからのアーリーアダプタが、遠出をしたり頻繁な急速充電をして、限界を試してくれるのは良いですが、それでかえって多数の潜在的なユーザーに対してはマイナス評価が定着してしまうという心配もありますね。

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