2009年6月26日金曜日

好きな歌手、好きな歌 その4

藍美代子さん:「ミカンが実る頃」
藍美代子さんもベスト盤を1枚持っていました。とてもきれいな澄んだ声質で清楚な歌声が好みです。演歌風のこぶしとか、過度のビブラートが嫌いで、その反対のこのような歌いかたが好きなんですね。もちろん、チャーミングな容姿も重要でした。その後の、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」や、松村和子さんの「帰ってこいよ」と似たモチーフの、ミカン畑で今日も祈る、と田舎娘が都会へ行ってしまった恋人を思う歌です。田舎育ちの私には身近な歌であるということも、ポイントでした。

むかしは、田舎が舞台の歌がかなりありましたね。もっと古くなりますが、三橋美智也の「達者でな」は大ヒットしましたが、丹精して育てた馬を売る若者の心情を歌っていますが、このような心情は今の時代の若者には想像もできないのではないでしょうか。

子供の頃、我が家では農耕用の牛を飼っており、水田の他、柿や桃や梨や野菜を作っていました。当時はこんな田舎が舞台の歌がしっくり来る人がまだまだ多かったのでしょう。高度成長期を越えてこのような歌はめっきり少なくなってしまったのですが、この藍美代子さんの歌は多くの日本人の心の原風景とも共鳴するところがあったとは思います。残念ながら小ヒットでおわり、見かけなくなってしまいました。

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