2010年5月5日水曜日

メキシコ湾原油流出事故続報(5/5)

メキシコ湾原油流出事故の原因究明と流出対策は、天候回復によって進みつつある模様(NYT)。封鎖(containment)ドームがバージに載せられつつある。環境団体、リグ労働者、漁業者の代理人の弁護士がBP、トランスオーシャン、ハリバートンを訴えている。

事故の際にリグにいた労働者の一人が海底から22000フィート以上の掘削を行、しかし会社は18000から20000フィートまでしか許可を得ていないと弁護士は言っている。BPはこれを否定、許可は20211フィートまでで、実際の掘削は18360フィートまで。

他のリグに詳しい労働者は弁護士に、会社はBOPを使ったが海底下200フィートに設置する、最後の切札となる大水深バルブは使わなかった、と語っており、弁護士は会社は資金を節約してこのバルブを使う機会を失ったと言っている。

事故の際にリグにいた6人以上の労働者は、オペレータ(トランスオーシャン)は坑井の仕事を終えることを急いでいたと証言している。これも事故の要因の一つかもしれない。しかし弁護士もすべての事実が判明しているわけではないと言っている。

BPの担当責任者は製作中であったドームは最大のリーク箇所の上に置かれて、集められた油は海面の船までポンプで汲み上げると語った。この作業は浅海では行ったことがあるが、大水深では初めてであり、リリーフ坑井の掘削、シャットオフバルブの設置を含めた他の技術も試みている。天候回復により、作業がより用意になるだろうと言っている。

爆発は、一時的に閉鎖するためのステップの作業である、コンクリートを坑井に注入するポンピングを終わって1日も立たない時に起きた。BPは後日ここに戻り、永続的なリグを設置して石油の生産をする計画であった。新しく掘削した坑井をコンクリートで塞ぐことは坑井を開発する際の決定的なステップであり、多くのリスクを伴っている。コンクリートは非常に専門化していて、調合と撹拌を正しく行う必要がある。坑井にポンプで注入し、その底で外に出て坑井のケーシングの周りを上がってきてしっかりしたシールを形成する。

コンクリートが完全にシール出来ていなかったらしく、後で天然ガスが坑井中に漏れ出した、と弁護士は語っている。しかし、この問題に関わってリグを遊ばせると費用が大きくなる。弁護士は監督者が兆候を見逃したか、無視して、作業を進めたと語った。

労働者が坑井中に高まった天然ガスを抑えていた最後のバルブを開放したときにガスがパイプを駆け上がりリグにまき散らされて火の玉となって11人の労働者が死亡し、けが人を出し、リグを沈没させたと弁護士が言った。

月曜には、業界の専門家が爆発の原因に関する理論を述べた。
FBR Capital Markets社のアナリストは、セメンチングの不良でアニュラス圧が高まりケーシングの破壊を引き起こした。そしてBOPのツールジョイントや掘削パイプが破壊あるいは歪んでBOPがシールできなかったという問題が重なっておきたと推定している。

元シェルの技術者重役であったKen Arnoldは機械と人の間違いが原因であった可能性が高いという。一時的なプラグは坑井の底に作られる必要がある。セメントプラグの問題というのはそれをテストしたときにちゃんとテスト出来ていなかったという可能性、またはガスが循環する経路がセメントプラグの周りにできたという可能性だ。

MITのTechnology Reviewサイトに、現状のまとめ記事 http://bit.ly/9RvmOm。 現状の大水深掘削技術の安全性の確保の手段としては、BOPのみに頼ってきた問題がある。これまでに、1000mを超える大水深では、浅海での技術は不十分と指摘されていた。独立した2台のBOPが義務付けられるかもしれない。環境運動家からは、安全、浄化が未確立では掘削を禁止との意見もある。

0 件のコメント: