電子書籍元年という言葉を時々見かけた2010年でした。
年末に、Sony Reader、Sharp Galapagosといった電子書籍端末が発売され、それぞれ販売システムが動き出しました。さらにAU、docomo等の携帯電話キャリアからも電子書籍販売システムが発表され、AUからは電子書籍端末ビブリオリーフが発表され、docomoからはGalaxy SやTabなどのスマートフォンにおいて電子書籍アプリのトライアルサービスが行われました。
携帯電話キャリアは従来、i-Modeなどそれぞれの携帯用インターネットサービスの有料コンテンツサービスとしてマンガやケータイ小説を中心に電子書籍を販売してきましたが販売システムはキャリアごとに閉じています。いわゆるガラパゴス状態ですが、AndroidやiOSを使うスマートフォンでは、PCと同様により汎用的なプラットフォーム上のアプリを通常のインターネット上で使うサービスとして使えるようになっています。
電子書籍販売システムでの課題は課金です。携帯電話キャリアで閉じたガラパゴス的なマーケットでは、電話契約と一緒に決済できるので、競争が無いこともあって非常に販売者に有利でした。一方インターネットを使うと課金が難しいのです。さらに、コピーされやすく著作権の管理が難しい。iPhoneやAndroidのアプリとして販売すれば、これらのシステムの外では使えないし、電話の契約とリンクしているので取りはぐれもないということで、人気作家の作品では一般的になっています。そのかわり、小さな携帯の画面で読むしかないという情けない状態でしか利用できないわけです。Amazon kindleはPC、MacやiPhone、Androidでのアプリと専用端末があり、kindleフォーマットのファイルはどれでも読めます。
アメリカでは、Amazonなど数社がそれぞれ、多くの出版社と契約をして電子書籍を販売するシステムを整備していますが、日本ではいくつかの企業グループがそれぞれ、システムを動かし始めたという段階です。日本の多くの出版社は電子書籍が普及してこれまでのビジネスが出来なくなることを恐れているようで専用アプリ販売程度以上の事はやりたがりません。結局、SonyもSharpも現在のところ売っているものは、マンガ、ベストセラーの一部とビジネス系の新書などマイナーなものばかりで、限られた層の需要にしか応えられていません。このような状態では遠からず営業をやめることになるでしょう。
個人的にはkindleを持っているので、日本の書籍を買ってkindleで読めるようになることを願っています。現在は青空文庫か、Web上のコンテンツをpdf化したものくらいしか日本語で読めるコンテンツがないのです。kindleで日本の普通の文庫や新書が読めるようになった時が私の電子書籍元年ということになります。
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