2010年12月29日水曜日

シボレー・ボルト 個人へ納車始まる

シボレー・ボルト Chevrolet Voltの納車が始まって、1台目の権利をオークションでとんでもない高値で買ったという個人に納車されたというニュースが出ていました。

シボレー・ボルトはEV電気自動車に近いHVハイブリッド車で電池が大き過ぎでコスト高のはずで、HVとしてはバランスが悪いと思います。

ボルトの試乗記などがネット上にたくさんありますが、どれも日産リーフや三菱i-MiEVアイ・ミーブの印象記と同じように、スポーツカー並みの出足の良さ、力強さを賞賛するものばかりです。これは電気自動車一般の特徴で特に評価すべきことはボルトの真骨頂であるレンジエクステンションのためのHVシステムです。

ボルトのHVシステムは、基本的にシリーズHVで発電効率が良いエンジンで充電できることが特徴です。負荷が間欠的で停車時間がそれなりに長い用途であれば、蓄電量が常にゼロにならないので効果的です。例えば宅配便車のような用途には合うと思います。レンジエクステンダーは、航続距離を伸ばすために蓄電量がなくなった時にエンジンで走るので遠出しても安心ということですが、EVとして走行する際にはエンジンは無駄な重量です。本来、距離がはっきりしている通勤ではエンジンを持たず、遠出の際にのみエンジンを積む、引いて出かけるというふうに分けて初めて意味があるものでしょう。電池がカラになってからは重い電池が無駄になり、非力なエンジンでまともに走れるかという問題があり、何とか走れるようにするためにはそれなりのサイズのエンジンが必要となります。現実のボルトは1.4Lのエンジンで1.8tの車体を動かさなければならないのですが、同じ程度の重量のカムリでは2.4Lのエンジンを積んでいます。

電池がカラになってからのレンジエクステンションモードになってからは実用的には走れないので、しばらく充電のために停まって休むというのが実際の使い方になると思うのですが、このような指摘がメディアでは全くなされていないのはなぜでしょうか?

ボルトには売れる要素、魅力が不十分ですから売れるとは思えません。GMの経営の足を引っ張るものと思います。

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