電子書籍リーダーとしてシャープが「ガラパゴス」という名前を選んだため、ガラパゴス化しているという電子書籍の問題を、単に電子書籍のガラパゴス化というと何のことかわかりません。ガラパゴス病というのが適切でしょうか(電子書籍でも失敗を繰り返すメディア業界の「ガラパゴス病」http://ascii.jp/elem/000/000/544/544407/)。
さて、出版社側が既得権益を守るために独自フォーマットで電子書籍を普及させる、あるいは電子書籍そのものを普及させないようにしたいというのは至極当然のことです。音楽産業と同様です。音楽産業は高価なレコードやCDの販売で利益を上げてきましたが、一方で無料のラジオ、テレビ放送で音楽を宣伝のために流してきました。録音やタイマーの技術が進歩するとともに、また近年ではインターネットの一般化とともに、高価なディジタル音楽コンテンツを従来のレコード業界のシステムを通して購入する人は減ってきました。ソニーがMP3に対応せずDRMを備えた独自フォーマットのみのディジタル音楽プレイヤーでiPodに負けてしまいました。
現在、ディジタル音楽コンテンツはYouTubeのような共有サイトで違法に置かれているものと、ガラパゴス携帯電話の「着うたフル」のような著作権管理されたもの、iTunes Music Storeのような中間的なものがあります。
現在の日本の出版社を中心としたインターネット上での電子書籍マーケットは「着うたフル」のモデルを目指しています。現在の電子書籍マーケットの中で世界的にも最も成功しているのは、日本のガラパゴス携帯電話のマンガだそうです。インターネット上ではスマートフォンが主体なので、「着うた」のモデルを何とかして汎用電子書籍市場に持ち込みたいということです。
いろいろなグループを作って、リッチコンテンツの電子書籍フォーマットの開発などを目指していますが、私が読みたいのは普通の文字が中心んの本です。青空文庫以降の普通の小説や新書がpdfで売られていれば相応の金を払って読みたいのですが、金を出しても読めないのです。権利者がその気になればすぐに出来る商品ですが、無料でコピーされたらかなわないので売らないということです。それが自炊を流行らせるわけです。放送された音楽コンテンツをmp3にすることで無料の音楽コンテンツがネットにあふれたように、自炊で作ったDRMなしのpdfファイルがmp3のように違法に溢れでてくるようになっていき、業界の息を止めることになるのではないですかね。違法なものがあふれjavascript:void(0)ないように、DRMで管理した有料pdfを安く利用出来るようにしてほしいものです。
著作権を守ろうとして無理をしている大手出版社は地盤沈下していき、出版業界全体が再編されることになるでしょう。
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