2009年8月29日土曜日

禁酒法へ

飲酒運転、ひき逃げ、などがよく報道されています。福岡の公務員の酒気帯び、ひき逃げ死亡事故などで、飲酒運転の厳罰化が進められています。自転車の飲酒運転などはかつては目こぼしされてきていましたが、最近は許されなくなってきました。

かつては、タバコが、大人の印のような時代がありました。喫煙者、周辺の人々への健康への害がはっきりしてきて、社会的にはほぼ葬り去れようとしています。酒についてもそうなっても良いのではないでしょうか。

ほとんど、下戸の私からすれば、世の中からアルコール飲料がなくなればよいのに、と思ってしまいます。飲酒運転のみならず、例えば公共交通機関内での飲酒暴力、飲酒歩行、飲酒睡眠、飲酒着席も迷惑です。家庭外での飲酒は禁止したらどうでしょうか。

飲酒運転、アルコール依存症などの原因物質としての問題点の認識を広めていきたいものです。

2009年8月25日火曜日

酒類のCMとアルコール依存症

最近、女性がビール、発泡酒、ワイン、梅酒、…などを、晴れた空の下で、楽しそうに気持ちよさそうに飲んでいるCMが増えています。酒を入れたゼリーというのも出ていますね。酒類業者による、男だけでなく女性にもアルコールのおいしさを広めたい!という販売戦略という面がもちろんあるのですが、大きな問題があります。

男性に比べると、女性はアルコールに弱く、また依存症になりやすいということです。昼間からビールやワインを飲むことに抵抗がなくなると、女性に限りませんがアルコール依存症で苦しむ人が増えてくるのではないかと心配です。

アルコール依存症は悲惨らしいですよ。酒は控えめに、自宅で夜たしなむ程度が良いと思いますね。

プロ野球選手の首輪、ちょっと恥ずかしい

数年前からプロ野球選手が首輪を付けているのをよく見るようになりました。マラソンの高橋尚子さんが、積水化学のあとに所属していた健康器具販売のファイテンのものが多いと思いますが、チタン合金かなにかのわっかで、おまじないのようなものだと思います。

プロ野球選手は身体を鍛えて、人並みはずれた精進もしているでしょうが、けがや体調を崩したらそれでおしまい、ということもありうるわけで、精神的に弱いというか神頼みをしたくなる人も多いのでしょう。

心が弱いのは人間誰でもあることで、特に批難しようというつもりもありませんが、たくましいプロ野球選手の首輪を見るたびに、人の心の弱さを実感てしまい、恥ずかしく感じます。

○○クリニックのCM、ちょっと恥ずかしい。

中東かどこかにヘリで駆けつけて国際的な会議をやって活躍していたり、レーシングカーに乗り込んだり、それほどスマートでもイケメンでもない男性が、格好の良い役柄の、景気良さそうなCMのメインキャラクターをやっている。

「○○クリニック!」と格好をつけて叫ぶので、ああ、あの美容整形の「先生」なんだなとわかるのだ。この「先生」は格好の良い役をやりたい、金があるのでそれができる、CMだが全国に放送できる、ということだと思うが、これを見て、「先生!かっこいい!」と思う人は少なかろう。「××じゃなかろうか?」と思う人が多いのではないか。資本主義の世の中なので、金を払ってくれる人には、周囲もお追従しか言わないのだろうなあ、従業員やCM制作のスタッフなどは、内心、「この××め!」などと思いながら、制作しているのではないかと思ってしまう。

とにかく、恥ずかしいのだ。子供に「何でこんな変なCMやるの?」と聞かれたらなんと言ったらいいのだろうか?がっぽり稼いでいる「先生」が、かっこいい役をやりたかったんだろうね、と答えるのも恥ずかしい。

こんなにいたのか多重債務者!

最近、景気が悪いという民放テレビのCMに、ぱちんこと並んで目に付くようになったのが、○×ロイヤーズとか凸凹法律事務所です。電車の中の広告にもやたら増えています。

グレーゾーン金利撤廃で、払いすぎ利息を取り戻すというニーズがあるから、なのでしょうが、これらの広告を出して客を取り合うほどのマーケットになっているとは驚きです。多重債務者は泥沼に落ち込んであっぷあっぷしているのでしょうが、彼らを飯の種にして稼ごうという法律家がこんなにいるのかとちょっと驚きました。

客観的に見れば苦しんでいる人を助けているのかもしれませんが、ちょっと釈然としないのです。しかし、もちろん貧乏人を助ける仕事はただでやれ、できる、とは行きませんね。

最高裁裁判官は主張を示す運動を!

衆議院選と同時に、最高裁判事の国民審査が行われるが、これまでにこの国民審査で罷免された裁判官はいない。当たり前のことで、彼らが何を考えてどのような判断をしてきたか、これからどのような基準で何をしようとしているか、国民の多くは何もしらないからだ。選挙公報と、新聞にちょっとだけ載る経歴や意見を見て、この人は良い、この人はだめと判断できる人はあまりいないだろう。

この国民審査制度は、良い裁判官を国民が選ぶ、悪い裁判官を罷免する、という目的のためには、まったく機能していないのだ。

昨日の新聞に出ていた記事を見ても、死刑廃止論に対するスタンスは、全員が判で押したように、国民の意見に沿っていくと、(おそらく持っている)自分の考えを明らかにしていない。

また、現在のような罷免したい裁判官に×をつける投票法で、それが過半数にならなければ罷免されないというのでは、永遠に日本の国民審査は有名無実で過ぎていくだろう。

政治家と違ってふだんから言動を耳にすることはほとんどない、裁判の結果は重大事件の場合に、それなりに報道されるが、最高裁の判断がどうこう、と報道されても、この裁判官はどう判断、少数意見はどうだった、といったことはあまり話題にはならない。

信任したい裁判官のみに○をつけて、過半数をとれない裁判官は罷免する、としたらどうだろうか。裁判官は国民審査のための運動をして、自分の信条を明らかにして、国民の信を問うのだ。そして信任が得られたもののみが最高裁裁判官として生き残るのだ。まともな、最高裁を作るには良い案だと思う。

慶応大 電気自動車ベンチャー

慶大の清水教授とベネッセが、Sim-Drive(シム・ドライブ)という電気自動車EVのベンチャーを設立、というニュースがありました。1回の充電で300km走れる5人乗りEVの量産販売を13年をめどに目指すというのですが、メーカーにEV製造技術のライセンスを供与して、行うというのですからこの会社で製造するのではないです。バッテリーはリース方式で初期費用は車両価格で150万円程度に抑えるそうです。清水先生は、EVのスポーツカーEliicaの開発で知られる先生です。

これだと、日産「リーフ」に対抗するEVになりそうです。リーフの場合は価格は未発表ですが、バッテリーをリース方式で初期費用を下げる、という話は同じです。

「バッテリーがリースなので、価格競争力がでてくる」という発想ですが、リース代金はどの程度になるでしょうか。自動車評論家の国沢光弘さんは、「1万km走行毎に10万円程度か?(All about)」と推定しておられますが、三菱iMiEVのバッテリーは250万以上と言われています。リーフは24kWhでiMiEVは16kWhです。リーフのバッテリーは300万円以上すると思われますが、もし10年使えるとしても、年30万円以上のリース費用が必要なはずです。普通の自家用車は年間1万kmも走らないので、営業車以外ではとても国沢さんの予想は成り立ちそうもありません。

Sim-Driveの技術はEliicaでも使われているインホイールモータですが、これがコストを下げることにどのように役立つのかは不明です。Eliicaは値段よりも高速走行性能を目指すスポーツカーとしては良いですが、経済的な走行性能を持つ実用車のベースにする・できる車ではないと思います。走行距離を2倍にできる、というのが本当ならそれは魅力ですが。i-MiEVでも、元はインホイールモータで開発されていた時期もあるのですが、市販にむけてあきらめたのだそうです。

Sim-Drive社の前途も容易な道ではないと思います。

2009年8月22日土曜日

自分の墓を掘る

総選挙です。
4年前の小泉劇場で、若者や貧困層が熱に浮かされて、小泉行革の後押しをしたことを思い出します。最近になって、あれは、間違いだったという人が多いですね。自分で墓穴を掘っていた、ということです。(ちなみに私は小泉改革は必要悪と思っていますので、ある程度仕方がないと思っています。あれほどの改革は、小泉氏のような変人、カリスマがいなければ不可能だったということで希有なことです。)

今度は、政権交代フィーバーです。政権交代になったらどうなるか、に期待しているというよりは、良くなろうが悪くなろうが、変化を求めているということですね。

政権交代で暮らしにくくなる人も多いはずですが、その人々も含めて後押しをしているのではないかと思います。私などは親方日の丸で改革によっては仕事に差し支えがありそうです。それでも、あえて墓穴を掘るか、冷静にみるか、迷うところですjavascript:void(0)。

GMシボレーボルトの充電持続モード charge sustaining mode

ボルトは、充電持続モードに入ると、それまでピーク出力160馬力だった駆動力が71馬力以下に落ちるわけで、同じように続けて走行することができるでしょうか?例えば、このモードでは、ちょっとした上り坂で信号などで一旦停車した後に、すぐに発進できるでしょうか。街中でもいくらでもあり得ることです。

ボルトの試作車の試乗記はアメリカのメディアでも出ていますが、charge sustaining (CS) modeでのGM外部者の試乗は許されていないんですね。バッテリー消費(charge depletion:CD)モードから充電持続にモードが切り替わって

下記リンクは最近のGMの開発者へのインタビュー記事ですが、(どこまで本当のことを言っているかはわからないものの)このモードの設定は依然として試行錯誤の段階のようです。ソフトウェアが重要だと強調していますが、どの程度放電したらエンジンを動かすかも決まっていないのであれば、どの程度走れるかは不明です。当然ながら燃費を云々する段階ではなさそうです。

http://gm-volt.com/2009/08/17/exclusive-the-engineering-challenges-of-generator-mode/

なお、このサイトはボルトのファンサイトでGMとの直接の関係はないようです。ボルトに関する検索をすると上位にでてきます。ニューヨークタイムズが8/13に230MPGの発表に関して、The Chevy Volt: Mileage Numerologyという記事でGMの燃費に関する用語の使用法について皮肉っぽい記事にしたときに、このサイトの分析データを紹介しています。

三菱iMiEVのような通勤専用風の軽自動車であれば、電池がなくなって動かなくなったとしても違和感はないですが、ボルトのスタイルや大きさで、エンジンもあるから好きなだけ遠出もできるというイメージとはかけ離れた「走り」になると思います。

GMはボルト関連ではゼロエミッション、燃費、電池工場への投資といったことばかり発表していますが、CSモードでの車の走りについてはずっと黙りを決め込んでいます。これで本当に発売できるか?本当に売れるか?GM再建の一助になるのか?非常に疑問です。

2009年8月21日金曜日

GM シボレーボルト大丈夫か?

シボレーボルトは、プラグインハイブリッド車であるけれども、エンジンは発電専用でバッテリーのエネルギーが少なくなった時に動き出します。(JAFmateというJAFのサイトの記事で、ボルトはバッテリーが空になると停車してエンジンを回して充電しなければならないと書かれています。いくらなんでも、それでは商品としてはあり得ないので勘違いと思いますが、エンジンを回して走りながらどの程度充電出来るか、どの程度の走りができるかということは興味深いです。)出力は、1.4Lのガソリンエンジンでは53kW(71hp)で、モーターの方は120kW(160hp)だそうですから、充電しながら走るときはバッテリーで走る時より、かなり苦しくなるのではないかと思います。

ボルトはリチウムイオン電池を使いますが、最低温度を0℃以上に保たなければならないので、それ以下になったらエンジンで起動して暖めてからバッテリーを使うそうです。

本当は、EVとして走れる距離で用事が済む場合はエンジンは無用の長物です。一方、何かの都合でバッテリーで走れなくなってしまった緊急時や、たまに遠出をしたい場合には、頼りになります。普段は通勤でEVのみ、週末に買い物やレジャーで遠出という家庭用で想定されるニーズでは、週末のみエンジンを載せて走るように選べれば良いですね。安井至先生は未来の理想的な自動車はボルトのようなEVで、必要なときは発電機を引いてシリーズハイブリッド車として走る形を予想しておられます。

私もそのような時代が来るかもしれないと思いますが、ガソリンや軽油を使うメリットがなくなるまで、EVが主流になることはないし、必要もないと思います。プリウスのようなプラグインハイブリッド車が実用的で温暖化対策としても合理的な水準のものでしょう。

シボレーボルトは、4万ドル程度の価格で売り出すといっていますが、軽自動車ベースの三菱iMiEVもそのくらいの値段(460万円)ですから、技術革新があったのかもしれませんが、技術革新を期待してのものではないかと思います。価格の大半はリチウムイオン電池なので、ベース車両価格はそれほど大きくはかわらないともいえますが。ボルトの電池は170kgあって、16kWhの充電が出来ます。これだけで64km走ることが出来るというわけです。車重は発表されていないですが、3,500ポンド(1.59トン)と推定されています。iMiEVは車重1.08トンで、ボルトと同じ16kWhの容量で200kgのバッテリーを使って、走行レンジは10.15モードで1充電走行距離160kmだそうです。ボルトの走行レンジがかなり少ないのは、車重と空力特性の差なのでしょうか。日産リーフは24kWh、走行レンジはUSLA4モードで160km以上だそうですが、車重等は不明です。ボルトとiMiEVの中間的なサイズでバッテリー容量が大きいので、1.4トン程度でしょうか。

日産のリーフは、純粋EVなので、バッテリーが空になったらどうしようもありません。急速充電スタンドができたり、コンビニなどで充電できるようになっても、急速充電でも30分かかるといわれています。現在のガソリンなら5分で給油できるので、用事の途中でもそれほど問題になりませんが、比べようもないほど実用性が低いと思います。スタンドの方も1台あたり30分場所を占められるので、都会では立地が難しく非常に高くつくでしょう。バッテリーはリースにするそうですが、価格的にもあまり競争力があるものになるとは思えないですね。バッテリーが200万円とすると、5年間のリースでは年間40万円(+金利)、ガソリンなら4000L程度40000~80000km走れます。電気料金はガソリンよりかなり安いですが、元を取れるのは相当長距離を走るタクシーや営業車だけでしょう。家庭用としての実用性は今のところガソリン車やハイブリッド車とは比較になりません。

もちろん、バッテリーの耐久性が5年から10年、量産効果でコストが何分の1かに下がればよいのですが、いまのところそんなあてはないと思います。

GMも日産も本当はこのような未完成な車は自家用車としては商品とは考えていないと思っています。三菱のように、自治体や企業向け専用で売り出して、問題点を解決しコストダウンの見込みを付けてから、市販をするというのが正攻法でしょう。それをしないで、来年末や再来年に夢の車を売り出す、といった宣伝をしなくてはならないのが、未来戦略を語れる技術、商品がないという両社の窮状を示していると思います。

2009年8月19日水曜日

シボレー ボルト 「世紀の誇張」か?報道

アメリカのコンシュマーレポートがGMの発表に「誇大広告」という記事を電子版に出した、という報道(共同)がされている。これは、びっくり発表で驚いた人に納得させるという情報ではあるので、意義はあります。しかし、相変わらずのマッチポンプで、自分でろくに考えていないで記事を書くという日本のマスメディアらしいですね。

実はコンシュマーレポートはガロン230マイル(MPG)は誇張だといって、せいぜい100マイル相当、という記事(43km/L程度であり、これはこれですごく立派な数値)です。これは電気料金を考慮に入れたものというのですが、アメリカの電気料金は安いのでかなり良い数値になっているのです。

ガソリンで発電して、走行するハイブリッドモードでの燃費は、プリウスと同程度50MPGと同程度と言われておりCNN Moneyの記事で使われています。総合燃費が100MPGという数値は元々GMの記者発表資料で書かれていることそのものです。アメリカEPAの新燃費基準は市街走行時に電気自動車での燃費、エネルギー効率を示す指標を作るための基準で、ガソリンでのMPGという表現にする意味はもともとあまりありません。100マイル/25kWhという数値が電気自動車走行のエネルギー効率の実データですが、これを230MPGとしたいきさつは記者発表資料自体には書かれていません。(80%以上のアメリカ人は1日40マイル以下しか走っていないという情報は書かれています。)CNN Moneyの記事のような考え方で230MPGに換算したのでしょう。

2009年8月14日金曜日

GM シボレー ボルトにびっくり、しなさすぎ。

シボレーボルトの「燃費」リッター100kmという報道がされて、その後のブログ等の反応を調べてみました。

レスポンスの記事やアメリカの報道を引用したりして、私と同じように基準が違う燃費の数値の一人歩きに懸念を示すものが半数近くあるのに対して、半数近くは新聞記事を再掲して、GMの底力が示された、GMが日本勢の追撃に本腰、GMの技術は実は進んでいた、プリウスも危ない、燃費はすごいけど400万は高すぎといった、無批判、ピントはずれの意見が述べられています。

自分で車を運転したり、車を買うときに燃費データを見たりした人なら、乗用車の燃費は10km/Lからいわゆるエコカーでも30km/L程度ということをご存じのはずです。エアコン使ったら10kmもいかなかった、というのが普通なんです。原付でも30-50km/L程度でしょう。100km/Lといわれたら眉につばをつけるというのは至極当然の反応だと思うのですが、素直に記事を信じる人が半分もいるということにまた驚いてしまいました。新聞記者はさすがにわかっていて、目を引くように誤解を招くような書き方をしているのだと思います。人が犬にかみつく記事が新聞の取り上げるべき記事であるという、悪しき体質ですね。

日本語Wikipediaのシボレー・ボルトの項目ではほとんど情報も書かれておらず、
「2008年8月現在燃費は、1リッター100kmという驚異の記録を出した。」という記述が置かれています。(8/21)


(驚いたのは新聞社などの報道をそのまま再掲しているだけで何の意見もコメントも書かれていない、というサイトが全体の半分近くあるのですが、これはどういうつもりでしょうか。著作権も何も気にしないで新聞記事で誘導してアフィリエイトを稼ごうというつもりのようです。コメントが書かれているサイトでも、1行コメントというサイトも多いです。正当な引用とはいえないですね。)

2009年8月12日水曜日

GM シボレー Volt ボルトにびっくり!

「GM:家庭で充電できる車ボルト、リッター100キロ達成」
http://mainichi.jp/select/biz/news/20090812k0000m020131000c.html
という見出しで新聞記事になっていますが、景気が悪いなかでもさすがGMはすごい技術を持っているのかな、と思った人も多いでしょう。ネット上の反応をみると、ざっと半分は疑う人、半分はGMの底力を再認識する人という感じです。

しかし、GMの記者発表資料、CNNの報道等、少し調べて、とっても驚きました。

まず、「ボルト」とはどのような車かというと、来年12月から製造、再来年初めから売り出される予定の、プラグインハイブリッド車です。ハイブリッド車の中でもシリーズハイブリッドとよばれる、エンジンとモーターとが直列のタイプでトヨタプリウス式の並列式とは違います。

ボルトの最大の特徴はプラグインハイブリッドで、つまり、プリウス、インサイトのようにエンジンで充電する他に、電気自動車と同様に外部から充電する/できます。充電池はリチウムイオン式の高密度のもので16kWhのものです。この電池にフルに充電すると40マイル、64kmの走行が可能です。電池のエネルギーが25%程度に減るとエンジンが動いて充電します。

ボルトのエンジンは1.4Lのガソリンエンジンで、充電のための発電専用で、プリウスのように走行パワーが必要なときにバッテリーと併用する、ということは出来ません。その一方、発電専用なので発電の効率は良いはずです。

プラグインハイブリッド車なので、通常夜間などに充電しておき、まず64km以内の用途はバッテリーのエネルギーのみで走行します。通常の通勤などではこれだけで済む場合も多いでしょう。もっと遠くまで行く必要があるときには、ガソリンエンジンで発電しながらモーターで走るのです。

さて、このような車の燃費をどのように示すべきか、これが問題です。
プリウスではガソリンだけを使っているので、普通にLあたり何kmといって通常のエンジン車と比較できますが、電灯線から充電する電気自動車では「電費」というkWhあたり何kmという言い方をしなければなりません。プラグインハイブリッド車では、両方の要素があるので、どのような走行をする場合に、電費と燃費がいくらといくらと言わないと意味がありません。(ガソリン車でも10モードなど走行モードで基準を作っているわけですがもっと複雑になる。)

ボルトで夜間にフル充電をして、通勤で片道32km、往復64km(40マイル)を走行してガソリンをまったく使わなかった場合、燃費∞km/Lということになります。電気はフル充電分16kWh使ったということで電費は64km/16kWh=4km/kWhとなります。アメリカでは3セント/マイル位で64km、40マイルでは1.2ドル、150円程度で済むということです。なお、下のCNN Moneyの記事ではフル充電分デトロイトでは夜間料金で40セント、一般には88セント程度と出ています。

さて、新聞記事にあるリッター100kmというのはどのようにして出したものでしょう。日本の新聞では詳しいことは書かれていません。GMの広報資料にはEPA(環境保護局)で検討中のプラグインハイブリッド車の燃費に関する新基準を使って出した値と言っています。

CNNのビジネスサイトCNN Moneyの記事によると、「50マイル走ったとすると、最初の40マイルはガソリンを使っていない、最後の10マイルで0.2ガロン使う。そこでガロンあたり250マイルとなる、80マイル走った場合は100mpg、300マイルなら62.5mpg…」という驚くような単純な話が出ています。
http://money.cnn.com/2009/08/11/autos/volt_mpg/index.htm?postversion=2009081108

(この記事が正しいという保証はないですが、)本当でしょうか。プリウスなどの燃費から考えて、急に100km/Lという燃費が達成できるはずはないので、本当あるいは似たような考え方で出された数字でしょう。

ボルトのハイブリッド走行での燃費は50mpgだそうでLあたり21.7kmと、プリウスよりやや悪い程度です。特に悪い数字ではないですが、Lあたり100kmという数字を聞いたあとでは、多くの人に詐欺的な数字ではないかと驚かれるでしょう。

まもなくプリウスハイブリッドが企業向けに発売されますが、この方式だとおそらくボルトより大きな数値が発表できることになります。GMは、こんな姑息な数字を大々的に発表して幻想をふりまいて何をするつもりでしょうか?日産が「リーフ」であまり現実的でない夢、誤解を振りまいているのと同様の危うさを感じます。

GMには米政府が大金をつぎ込みましたが、こんなことをやっているようでは再建は難しいのではないでしょうか?また、よくあることですが日本の新聞の報道はわざと誤解を生むように書かれているようです。センセーショナリズムですね。

「追記8.13」ライブドアニュースにもなっているレスポンスというサイトの記事がまともに評価できているようです。
http://response.jp/issue/2009/0812/article128354_1.html

2009年8月11日火曜日

ニッサン リーフEV

ニッサンは来年後半に発売予定の電気自動車EVのリーフを発表しました。

1年目に早くも5万台生産だそうです。
1台200万程度で売るようです。電池はリースで別売にする。月に5千円くらいでリースできればガソリン50L程度月に500km走るという人ならこれは魅力的です。三菱ミーブは軽自動車ベースで400万円で半分が電池代と言われています。リーフの電池も300万程度のものでしょう。5000円で割ると600ヶ月、金利がなければ50年で元が取れる勘定ですね。

実際には、ミーブもリーフもLiイオン電池を使うのですが、その信頼性は未知数です。10年以上生産を続けて熟成してきたプリウスは今年からの3代目でも信頼性が高いNi-H電池を使っています。リーフの電池の耐久性は長くて10年、おそらく5年程度で使えなくなるでしょう。月に5万円から10万円払ってくれなければメーカーの方の元は取れないでしょう。電池についてはリースの他にも、着脱カセット式で電池スタンドに寄って電池を交換するというシステムを作ればよいという話もあります。これは確かにグッドアイデアですが、来年後半に売り出されるリーフでそのようなシステムが実用的に使えるはずがありません。

三菱は当面企業向けのみでスタートし、その間に諸トラブルをつぶしていって、来年一般に向けて売り出すというそれなりの堅実な方向です。一方、ニッサンは来年いきなり年産5万台だそうです。無理だと思います。このような車は宣伝のために電力会社が使うとか、燃費自体はよいので月に5000km走る営業車程度しか当面の需要はないでしょう。

航続可能距離が160kmのコンパクトカーですが、確かに夜充電して通勤に使うだけなら、航続距離の制限があっても実用性がないわけではありません。しかし、遠出は無理です。急速充電機をガソリンスタンドやコンビニに置けば解決とかいっていますが、急速といってもガソリンの1分程度で入るのとは違って30分程度かかるそうです。ちょうど目的地で充電するのなら良いですが、途中で入れるというのは現実的ではありません。

ゼロエミッションなどと威張ってみても、ハイブリッドカーでトヨタにもホンダにも追いつけないことがわかっているので、目先を変えてみようという小手先の技術です。実用性のないモーターショウででてくるコンセプトカーと同じで、一応動く程度の車に見えます。プリウスを見ながらハイブリッドカーはつなぎの技術で究極のエコカーの燃料電池車では自分たちは先行しているから、本番の戦いはまだ先だからといってごまかしていたGMなどと同じ、時間稼ぎではないでしょうか。実用的な燃料電池自動車が10年以内に売り出せるとは昨今はだれも思っていません。マスコミや一般の評論家はいい加減なもので、ほんの2年前頃には、燃料電池自動車を開発中、走行実験などと発表していれば、生き残り競争をちゃんと戦っていると見せかけることが出来ていました。電気自動車も同じでしょう。

ゴーンさんは1年半自分の寿命を延ばすために発表したのでしょう。ゴーンさんは追い出されようとも毎年何十年分もの給料としても十分な給料をもらっているので辞めていけば済みますが、残される社員や株主はひどい目に遭うと思います。これでよいと思っているのでしょうか。来年後半に本当に市販して、年内に2万台も売れたら大成功でしょうね。来年半ばには、市販は延期ないし中止ないし、生産計画縮小、ゴーン退陣と予想しておきますね。

2009年8月7日金曜日

Siena シエナ

Google EarthやGoogle Mapで、ちょっと知っている場所を眺めるのはとても面白いです。特に旅で訪れたところを上から、斜めから眺めるというのは広い範囲を大雑把にでも理解するということで、地面を移動していった旅ではわからなかったことがわかるということで、とても興味深いことです。

2000年だったと思いますが、イタリアのシエナへ行きました。郊外の施設で小さなワークショップが開かれて、参加しました。日本からは一人でした。初めてイタリアに行ったということもあってかなり緊張していました。航空会社は忘れましたが、成田からミラノのマルペンサ空港まではJALかANAだったでしょうか忘れてしまいました。ミラノで降りて、フィレンツェ行きに乗り継ぐのですが、掲示もイタリア語が中心のところ英語を探してたどっていくと一旦空港ビルの外へ出てしまいました。

ちょうど同じ便に乗ってきた日本人の中年女性が同じ方向へ歩いておられて、いっしょにフィレンツェ行きのゲートにたどり着きました。ゲートの前の待合室には十数人しかおらず、日本人は我々だけで、ちょっと話をしました。日本人同士は海外では滅多に知らない同士で話しかけたりはしませんが、2人だけだったことと、道がわかりにくかったことで多少親近感があったからでしょうね。その女性は、お子さんがフィレンツェでレストランか何か店を出していて、その手伝いに行くのだといった話でした。私はその先シエナまで行くという話をしました。

フィレンツェまではアリタリアでしたが、これが20人乗り程度のプロペラ機でした。幹線だと思っていたのでこれには驚きました。乗り込むと、CAは女性一人で、例によって飛び上がる前に救命胴衣の説明などをやるのですが、このころすでにビデオで済ます便が多くなっていたのに、このサイズではさすがに実演が必要でした。この女性は、やる気なさそうに斜め先を見ながらやっていました。客の方も見ていないのでどっちでもいいですが、誰も見ていなくても普通はやっているので、イタリア人とは…、とほとんど最初に見たイタリア人女性から、一般論を述べたくなってしまいました。

フィレンツェには何事もなく着いて、タクシーで一人で駅に近いホテルに行きました。古い町の駅前ということで、落ち着いたホテルでした。このころは電話線でインターネットにつなぐという時代で、一応プロバイダのローミングを利用してメールのチェックなどをしました。ホテルから外へ散歩に出てほんの5分ほどしたとき、大声で怒鳴る声と走って逃げる子供に出くわしました。イタリアには多いといわれる噂のスリです。緊張して翌日シエナまで行く列車に乗る予定の駅まで行きました。言葉に不安があるのと気が小さいのとで、時間があれば事前にチェックする習慣です。切符売り場やホームを確認して来ました。フィレンツェの駅は、ヨーロッパではよくあると思いますが、全部の線路が突き当たるようになっています。つまり幹線から線路が引き込まれて来ているのです。Google Earthで駅を見るとよくわかりますね。ホームは皆低いもので、列車にはステップがあって何段か昇って乗り込みます。

駅を確認してから町の中を1~2時間ほど歩きました。翌朝も早く起きたので1~2時間ほど町の中を歩きました。どこかの建物に入るということは出来ませんでしたが、大きな教会は壁一面に様々な彫刻で飾られているのでとても見応えがありました。Google Earthでもよく見えます。この夜はどこで何を食べたか、何も覚えていません。

翌朝、ホテルをチェックアウトして、駅に行き切符を買いました。シエナ1枚と言ってすぐ買えるというつもりだったけれど、言ってみると、ラウンドかと聞かれました。周遊券と言っているのかとどぎまぎしましたが、聞いてみると単なる往復のことでした。もう少し英語を学ばなければというところでした。

この便については、当時イタリアの国鉄がWebでサービスしていたシステムで存在は事前にわかっていましたが、路線図とか地図とか、駅時刻表がわからなかったので、どのくらいで着くのかはわかりませんでした。Googleマップなどもなく、フィレンツェとシエナの位置関係もよくわかっていませんでした。

とにかく、列車に乗ると適度に客もおり、適度にすいていて快適でした。列車は6両くらいだったと思いますが、最後尾には自転車の絵が描いてあり優先車両のようでした。プラットフォームには駅員はおらずいくつか立っている改札機で乗車時刻を切符に刻印して乗りました。不安なのはシエナを乗り過ごしてしまうことなのですが、あと何駅かということがわからないので、駅に止まるたびに駅名を読んで緊張していました。ある駅に着いたあとに、反対向きに走り出しました。これには驚きましたが、別にフィレンツェに戻るというわけではなく先に進んでいき、まもなくシエナに着きました。よく覚えていませんが8時頃に乗って10時前に着いたのではないかと思います。

夕方までに、シエナの郊外のワークショップ会場に行けばよいという予定だったので、町を見物することにしました。荷物を駅に預けて、歩いて町に向かいました。町は丘の上にあり、町の周りは石の塀で囲まれています。駅は麓の平地にあります。この状況はそのときにはわかっていませんでしたが、Google Earthでシエナとして検索して拡大していくと、駅は町の北西にあることがわかります。線路は単線ですが、引き込み線や小さいですが車庫もあるようです。南西に向かって坂をのぼり右に曲がると塀があり、中の古い町に入っていきます。広い道が突き当たると左へ細い道を上っていきます。古い町なので街中は石畳で、車が走るのは大変な道の狭さです。面白いのは古い石造りの家ばかりですが、土産物屋などはちゃんとけばけばしい飾り付けがされていることです。

細い道をずっと上って一番高いところへ来た頃に、左側の建物の間から短い通路を隔てて広いところがあるように見えたので、入ってみると有名な広場に出ました。広場はすり鉢状にへこんでいてその縁に立っていました。観光客が広場にも、私がいる縁にも一杯でした。縁の部分には土産物屋とカフェがいくつもあり、カフェでピザとビールで昼飯にしました。このとき驚いたことに、近くの席にワークショップの主催者の研究者らがいたことです。しばらくすると、ラッパや太鼓の演奏と共に大きなカラフルな旗を持った一団が広場に登場して、にぎやかに行進を始めました。広場でひとしきり演技をすると、階段を昇って街中の道を行進していきました。私は土産物屋を冷やかしてから駅に戻り、タクシーでワークショップの会場に移動しました。

この肝心の会場はもう名前も覚えていないので、Google Earthでも探せないのですが、駅から20分くらい走った畑地帯の小高い丘の上の元々は修道院のような古い建物でした。Google Earthで見るとそれらしい感じの場所はいくつもありますが、同定は出来ませんでした。周りはオリーブかぶどうの畑か林で、快適な散歩コースもありました。周りには人家はまったくありませんでした。大学の施設で合宿のワークショップなどのためのものではあるのですが、物置には壊れかけた古い農具があったりして本当に面白かったです。部屋は2人部屋でアメリカ人の学生と一緒でした。部屋は薄暗いし、作業や議論をする部屋が快適なのでそちらにいることが多く、あまり部屋にはいませんでした。

ワークショップは2泊で、研究者が集まり研究提案をまとめたり、論文の打ち合わせをしたりしました。朝食、コーヒーブレイク、ランチ、ディナーと大量の良質な料理とワインやビールを頂いて、大いに楽しみました。日本人は一人だし、ネットもないし、テレビもなしで、緊急連絡用に電話、FAXの番号を職場や家に残してはありましたが、日本で何があっても何もわからないという環境でした。

ワークショップが終わると、タクシーで駅まで戻りました。多くの参加者はレンタカーできており、ドイツの研究者と一緒に駅まで同行しました。彼はKierの人でユーロスターで帰るということでした。よく覚えているのは、彼はリラを持っていないというのでタクシー代を私が払ったということです。今ならユーロなのでこのようなことはないですね。

列車に乗ってフィレンツェにつくとそのままタクシーで飛行場へ移動して順調に帰宅することが出来ました。フィレンツェでもミラノでも何もする余裕もなくかえりました。トラブルがなかったためか帰りのことはほぼ10年たった今ではほとんど何も覚えていません。ヨーロッパには会議でしか行ったことはありませんが、最初から最後まで日本人は一人だったというのはこのときだけです。イタリアにはこのあと2001年にシシリーに行きましたが、そのときも強い印象が残る旅でした。

GMT4.5.0が出ていました。

GMTが7月15日に4.5.0にバージョンアップされていました。

早速、WindowsXP+cygwin上でインストールしてみました。
gmt_install.paramに条件をセットして、install_gmt.shを実行すると、ftpでソース、海岸線データ等をダウンロードして、configure、make、install、examplesの実行を含めて、10分足らずでインストール出来ました。

Google Earth用にkmlフォーマットの出力が出来るgmt2kmlというコマンドなどが追加された他、オプションの記述法が統一のために変更されたところなどがあるようです。examplesも増えています。

このような優れたソフトウェアが、どんどん成長していくのは、ユーザーとしては大変ありがたいです。開発に貢献する力がないのは情けないですが。

フリーソフトとしてはかなり大規模になってきたので、初めてのユーザーにはだんだん敷居が高くなってきたかもしれません。私はv.1の時代から使ってきていますが、どこがどのように変わったのかはよくわからないでいます。

日本語での解説文書もかなり作られましたが、機能や仕様をフォローしていっている人はだんだん少なくなってきたのではないでしょうか。全体像がわからなくても役に立てて使うことは出来るのですが、そろそろ、だれか決定版の解説書でも書いてくれるといいのですが。

2009年8月5日水曜日

3Dデジカメ

富士フイルムから3Dデジタル映像システムというものが発表されていますね。

http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_0305.html
カメラ(FinePix REAL 3D W1)、ビュアー(FinePix REAL 3D V1)、プリントサー
ビスから構成されていて、当初8月8日発売。サービス開始予定だったのですが、
ビュアーは8月中旬発売に延期されたそうです。

カカクコムでは、カメラ、ビュアーセットで8万9千円となっています。カメラだ
けだと5万円です。どの程度使い物になるか興味深いです。