”404 Blog Not Found”という有名なブログで紹介されていた、「ある物理学生の回答 「気圧計を用いて,高い建物の高さを決定することができることを示しなさい」」という問題の話です。
http://www.asahi-net.or.jp/~HA4K-MYZK/jyugyou/studentanswer.pdf
横浜物理サークルの宮崎幸一先生が、「高等教育フォーラム」で落合栄一郎さんという在米の先生が英語で紹介しておられたものを翻訳されたということです。2001年の記事のようです。元の英語の記事は見つかりませんでした。
さて、この話は、ラザフォード先生が語る、気の利いた回答をした学生がニールス・ボーアだったという落ちにしてあり、天才の学生時代のエピソードとして面白い小話です。
上記ブログの筆者の小飼さんが、Yahoo Answers、snopes.comの記事を引用して、「学生はボーアでなく、誰かというとAlexander Calandraという人だったようです。」と書いておられます。
しかし、引用されている記事には、1958年にReader's Digestの小話に出ていた話があり、Calandraさんがこの話を1961年に自分が書いた教科書に書いており、その後68年にSaturday Reviewという雑誌に、回答のリストをCurrent Scienceという雑誌に書いていると書かれていて、事実あったことかどうかはわからないと書いてあり、Calendraさんがその学生だとは書かれていません。
snopes.comの記事によるとCalandraさんの教科書は”The Teaching of Elementary Science of Mathematics”と書かれています。Google Booksでこの題名の検索をすると、出ていません。一方Calandraで検索すると、この教科書が引用されている本が引っかかりました。ただ引用されている書名が少し違ってい
て、”The Teaching of Elementary Science and Mathematics”が正しいようでした。たしかに、数学の科学とは普通いいませんね。
2冊の本で引用されているのですが、一つは1994年に出た化学安全管理の本で、上記教科書の1969年(改訂版?)の記事に基づいて書かれていますが、その記述は上記宮崎先生が訳された記事とそっくりです。ただし、GoogleBooksでは話の途中で非公開のページになってしまっています。Calandra先生がラザフォード先生
の役であったようです。
もう一つは1994年に出たCプログラミングの本で、こちらには1961年の教科書の記述を引用してあるようで、上記記事とは書き方が少し違います。そして、Sun社内でジャンクメールで"科学パズル”として出回り、新しい方法が16寄せられたとして紹介されています。
2009年7月11日土曜日
2009年6月29日月曜日
Ex319での熊野海盆における「ちきゅう」の活動状況について
私は直接地球深部探査船「ちきゅう」による探査に係わっているわけではありませんが間接的な関係者の一人です。掘削の話は門外漢には難しく少しずつ勉強しているところなので、「ちきゅう」の活動状況についてメモを残していきたいと思います。誤解などもあると思いますので、その際にはご容赦ください。
「ちきゅう」の一般的な紹介としては、下記の「塩屋天体観測所」というサイトでの紹介(地球深部探査船「ちきゅう」(1)(2)(3))が写真も豊富でわかりやすいと思います。
http://www.h2.dion.ne.jp/~kazuf/sao/paorep/chikyu01.htm
現在「ちきゅう」の319次研究航海(南海地震発生帯掘削計画ステージ2の最初)が始まっており、デイリーレポートが送られてきています。
http://www.jamstec.go.jp/chikyu/jp/Expedition/NantroSEIZE/sp319_dr.html
今回、IODP(統合国際深海掘削計画)で初めてライザー掘削が行われます。一昨年、ステージ1が行われました。「ちきゅう」によるライザー掘削は試験は何回か行われていますが、IODPのために使用されるのは今回が初めてです。すばらしい成果を期待したいと思います。
いろいろトラブルがあって対処のための時間がかなりかかったようですが、結果的に数日遅れでライザーを使った掘削が始まったようです。デイリーレポートに基づいて経過をまとめてみました。
5月19日に掘削地点(C00009A、NT1-11地点、熊野海盆)での最初のジェットインで36インチ(90cm)パイプを設置して開孔ました。海底直下の柔らかい地層を、ホースの先から勢いよく水を出して孔を開けながら孔の中にホースを押し込んでいくという感じで、36インチパイプを海底下54.5mまで入れています。試料やデータはほとんど何も取れません。この浅い部分については、事前にライザーを使わない方法で試料が採取されています。
次に、その中から26インチ径のドリルビットで海底下700mまで掘削されました。
この26インチのドリルビットはマッドモーターという泥水の流れで回転させる仕組みです。24-26日で712.7mまで掘削されました。このときにはMWDという計測を行っています。
6/3に、20インチ(51cm)ケーシングパイプを設置し、セメンチングを行っています。ケーシングパイプは孔壁が崩れないようにするためのものです。セメンチングは20インチのパイプと26インチ径の孔の壁の間にセメントを入れてパイプと地層を固定します。
その後、BOP(暴噴防止装置)とライザーパイプの降下、BOPの設置の作業が行われましたが、いろいろトラブルがあって大変だったようです。トラブルはライザーを吊っているライザーテンショナーとBOPで生じました。ライザーパイプは坑井の海底部のウェルヘッドという36インチ(コンダクター)パイプの頂部の固定装
置に取り付けたBOPに接続されて、2000m上の「ちきゅう」のやぐらまで伸びて吊られています。ライザーパイプは水中ではほとんど重量はないと思いますが、海水の流れで曲げられたりするので、吊る力の方で調整しなければなりません。
最終的にBOPが設置されて孔井と「ちきゅう」がライザーパイプでつながったのが6/24のようです。
掘削パイプ、ライザーパイプと、井戸の中はこれまで海水が入っていましたが、掘削泥水に入れ替えられ、今後はこの掘削泥水が循環します。6/25に掘削が始まりました。
今後1510mまで12.5インチの径で掘削され、その後1510-1600mまで10インチのコア試料採取用のビットでコア試料が90m採取される予定です。このサイトでのコア試料採取はこの90mの区間だけで、その他の地質試料は掘削時に泥水と一緒にあがってくる削りくず(カッティングス)と、泥水に含まれるガス程度です。この掘削、試料採取は順調であれば1週間で終わります。
その後、検層、17インチビットで拡掘し、13-3/8インチケーシングの設置をして、検層を行い、上からケーシングハンガーとセンサーを設置して、BOP、ライザーを回収、ふたをして、この場所での作業終了となります。
この坑井は、今後孔内の物理化学的なモニタリング、将来の実験などに使われます。
「ちきゅう」の一般的な紹介としては、下記の「塩屋天体観測所」というサイトでの紹介(地球深部探査船「ちきゅう」(1)(2)(3))が写真も豊富でわかりやすいと思います。
http://www.h2.dion.ne.jp/~kazuf/sao/paorep/chikyu01.htm
現在「ちきゅう」の319次研究航海(南海地震発生帯掘削計画ステージ2の最初)が始まっており、デイリーレポートが送られてきています。
http://www.jamstec.go.jp/chikyu/jp/Expedition/NantroSEIZE/sp319_dr.html
今回、IODP(統合国際深海掘削計画)で初めてライザー掘削が行われます。一昨年、ステージ1が行われました。「ちきゅう」によるライザー掘削は試験は何回か行われていますが、IODPのために使用されるのは今回が初めてです。すばらしい成果を期待したいと思います。
いろいろトラブルがあって対処のための時間がかなりかかったようですが、結果的に数日遅れでライザーを使った掘削が始まったようです。デイリーレポートに基づいて経過をまとめてみました。
5月19日に掘削地点(C00009A、NT1-11地点、熊野海盆)での最初のジェットインで36インチ(90cm)パイプを設置して開孔ました。海底直下の柔らかい地層を、ホースの先から勢いよく水を出して孔を開けながら孔の中にホースを押し込んでいくという感じで、36インチパイプを海底下54.5mまで入れています。試料やデータはほとんど何も取れません。この浅い部分については、事前にライザーを使わない方法で試料が採取されています。
次に、その中から26インチ径のドリルビットで海底下700mまで掘削されました。
この26インチのドリルビットはマッドモーターという泥水の流れで回転させる仕組みです。24-26日で712.7mまで掘削されました。このときにはMWDという計測を行っています。
6/3に、20インチ(51cm)ケーシングパイプを設置し、セメンチングを行っています。ケーシングパイプは孔壁が崩れないようにするためのものです。セメンチングは20インチのパイプと26インチ径の孔の壁の間にセメントを入れてパイプと地層を固定します。
その後、BOP(暴噴防止装置)とライザーパイプの降下、BOPの設置の作業が行われましたが、いろいろトラブルがあって大変だったようです。トラブルはライザーを吊っているライザーテンショナーとBOPで生じました。ライザーパイプは坑井の海底部のウェルヘッドという36インチ(コンダクター)パイプの頂部の固定装
置に取り付けたBOPに接続されて、2000m上の「ちきゅう」のやぐらまで伸びて吊られています。ライザーパイプは水中ではほとんど重量はないと思いますが、海水の流れで曲げられたりするので、吊る力の方で調整しなければなりません。
最終的にBOPが設置されて孔井と「ちきゅう」がライザーパイプでつながったのが6/24のようです。
掘削パイプ、ライザーパイプと、井戸の中はこれまで海水が入っていましたが、掘削泥水に入れ替えられ、今後はこの掘削泥水が循環します。6/25に掘削が始まりました。
今後1510mまで12.5インチの径で掘削され、その後1510-1600mまで10インチのコア試料採取用のビットでコア試料が90m採取される予定です。このサイトでのコア試料採取はこの90mの区間だけで、その他の地質試料は掘削時に泥水と一緒にあがってくる削りくず(カッティングス)と、泥水に含まれるガス程度です。この掘削、試料採取は順調であれば1週間で終わります。
その後、検層、17インチビットで拡掘し、13-3/8インチケーシングの設置をして、検層を行い、上からケーシングハンガーとセンサーを設置して、BOP、ライザーを回収、ふたをして、この場所での作業終了となります。
この坑井は、今後孔内の物理化学的なモニタリング、将来の実験などに使われます。
2009年6月26日金曜日
ワイヤレス給電
2009年6月26日の、朝日新聞"eb版によると
「電波政策懇談会」(座長・土居範久中央大教授)が実用化が見込める技術分野を検討。立体テレビなどの高度無線端末▽ネットワーク無線家電▽無線による事故防止システム▽小型カプセル内視鏡などの医療無線システム▽高速大容量の無線ネットワークの5分野を戦略プロジェクトに決めた。
そうです。
電波の利用で、コードなし冷蔵庫、炊飯器などが実現するということが書いてあるのですが、ネットワーク無線家電というのは、冷蔵庫ならネットワークを利用して庫内物品の在庫管理などの機能を持ついわゆるインテリジェント家電のことだと思っていました。何年か前にインターネットで家電がつながったら、テレビで送られるレシピと冷蔵庫の中の食品在庫からメニューを提案するといったポンチ絵があったような気がします。
ということで、家電をネットに載せてサービスをするというのは現実の技術で今や驚くことはないですが、電源コード無しで使える冷蔵庫や炊飯器には驚きました。冷蔵庫や炊飯器の数百Wの電力を無線で送る技術がそろそろ現実的になってきたのでしょうか。
例によって、技術動向を読めない新聞記者が誤解をしてインテリジェント家電のワイヤレスインターネット接続と無線電源供給をごっちゃにして間違えたのかと思いましたが、上記「電波政策懇談会」の資料を見てみると、家電の無線給電もたしかに話に出ているようです。
日経BPの記事で、東芝が上記懇談会にワイヤレス給電の検討を提案したと出ていて、まったくの夢物語ではないのかもしれないと思い始めました。ただし、3つの課題とかいうのには、距離数mmで数十Wの電磁誘導給電というすでに実用化している技術の改良の話も入っています。数m数百Wの給電についてはMITが開発したresonant induction 共鳴誘導方式というのでしょうか、方式の検討となっていて、これが本命のようです。
Web上には、すでに、インテルがどこかでワイヤレス電球を点灯させたという記事もありますし、英語版Wikipeidaにはwireless energy transferという項目があって、resonant inductionも解説されています。
楽しみです。
「電波政策懇談会」(座長・土居範久中央大教授)が実用化が見込める技術分野を検討。立体テレビなどの高度無線端末▽ネットワーク無線家電▽無線による事故防止システム▽小型カプセル内視鏡などの医療無線システム▽高速大容量の無線ネットワークの5分野を戦略プロジェクトに決めた。
そうです。
電波の利用で、コードなし冷蔵庫、炊飯器などが実現するということが書いてあるのですが、ネットワーク無線家電というのは、冷蔵庫ならネットワークを利用して庫内物品の在庫管理などの機能を持ついわゆるインテリジェント家電のことだと思っていました。何年か前にインターネットで家電がつながったら、テレビで送られるレシピと冷蔵庫の中の食品在庫からメニューを提案するといったポンチ絵があったような気がします。
ということで、家電をネットに載せてサービスをするというのは現実の技術で今や驚くことはないですが、電源コード無しで使える冷蔵庫や炊飯器には驚きました。冷蔵庫や炊飯器の数百Wの電力を無線で送る技術がそろそろ現実的になってきたのでしょうか。
例によって、技術動向を読めない新聞記者が誤解をしてインテリジェント家電のワイヤレスインターネット接続と無線電源供給をごっちゃにして間違えたのかと思いましたが、上記「電波政策懇談会」の資料を見てみると、家電の無線給電もたしかに話に出ているようです。
日経BPの記事で、東芝が上記懇談会にワイヤレス給電の検討を提案したと出ていて、まったくの夢物語ではないのかもしれないと思い始めました。ただし、3つの課題とかいうのには、距離数mmで数十Wの電磁誘導給電というすでに実用化している技術の改良の話も入っています。数m数百Wの給電についてはMITが開発したresonant induction 共鳴誘導方式というのでしょうか、方式の検討となっていて、これが本命のようです。
Web上には、すでに、インテルがどこかでワイヤレス電球を点灯させたという記事もありますし、英語版Wikipeidaにはwireless energy transferという項目があって、resonant inductionも解説されています。
楽しみです。
2009年6月16日火曜日
誰が電気自動車を殺したか?
誰が電気自動車を殺したか?というドキュメンタリー映画があるそうです。見ていないので何か言ってもあまり説得力がないですが…
GMが90年に開発製造して97年からリースしていたEV車の製造を2003年に止めてしまった原因を、ガソリン車が無くなると困る石油業界による妨害によるものだと示唆して、そのような妨害がなければGMは環境先進的な車メーカーとして君臨していた可能性があるといいたい話のようです。速い、静かといったすばらしい性能で、映画俳優などのセレブに人気があったのに、GMが止めてしまったのは陰謀のせいだ…
ネットでこの映画についてふれているブログなどを見ると、判で押したように石油業界の圧力で、10年以上前にすでに実用的で人気があったEVを葬ってしまった、と納得しているものばかりです。そんなはずはない。ブログなどで語られているような内容なら、この映画の主張は全くのトンデモです。明らかに実用的でなかったからこそ消えたのです。
最近三菱が世界初のEV車の市販をするというので話題になっていますが、20年近く前のEV1はまともな電気自動車であったのでしょうか。高すぎて市販できずリースをしていたEV1は市販すると困るほど、100kmから200kmしか走れない、数年で電池の寿命がくる、何倍も値段が高いといったエンジン車ではありえない欠陥品だったはずです。
電気自動車が速く静かに走ることができるというのは当たり前です。慶応大のEliicaという8輪のスーパーEVは走行性能はすごいらしいです。小泉元首相が試乗して喜んでいた報道がありました。3000万円くらいで市販するそうです。Ellicaのような車は世の中にはあまり関係がありません。エコカーでも未来の車でもないです。
映画も見ていないし、EV1も見たことが無くても明らかで、EV1が実用的でなかったのは電池技術が未熟だったからです。EV1は当初鉛蓄電池、次にニッケル水素電池を積んでいました。この7月から市販されるという三菱のi MiEVは軽自動車がベースで、リチウム電池を積んでおり、460万円で、フル充電で100km程度の走行距離だそうです。他人の金で買うことが出来る法人、官庁で実験的に使うのは良いでしょうが、個人で使うには1/3以下のコストになるまでは無理でしょう。それも2台目、3台目の買い物用、近所用専用の車としてです。
電気自動車の技術はEV1以前からありましたが、エンジン自動車に対抗できるような実用的な電気自動車は、これまでにはありませんでした。三菱の電気自動車も大衆が買うようになるまでには10年以上かかると思います。石油業界の妨害など無くてもEV1が勝ち残るチャンスがなかったことは間違いないと思います。
トヨタのプリウスは新しい3代目もニッケル水素電池を使っています。リチウム電池の方がエネルギー密度が高く性能は高いのですが、ノートPCのバッテリーが発火事故を起こしたように製造、管理が難しく、自動車のような悪環境で使う場合にはまだ信頼性がよく分かっていないと想像するのですが、三菱は大丈夫でしょうか。
三菱のi MiEVは5年くらい先には量産効果で黒字にしたいそうです。補助金が140万も出て300万程度で買えるそうですが、300万の使いにくい軽自動車が売れるとは思えません。5年も持たずにあきらめるだろうと予想しておきたいと思います。140万の補助金は無駄遣いと思います。
プリウスは市販されるようになってから10年以上たちますが大きな問題もなくやってきました。これは本当に大変なことだと思いますね。十分な台数の製造ができて、今の価格で利益が出せるのなら、これから10年くらいは乗用車の市場はハイブリッド車中心になるのは間違いないと思います。
GMが90年に開発製造して97年からリースしていたEV車の製造を2003年に止めてしまった原因を、ガソリン車が無くなると困る石油業界による妨害によるものだと示唆して、そのような妨害がなければGMは環境先進的な車メーカーとして君臨していた可能性があるといいたい話のようです。速い、静かといったすばらしい性能で、映画俳優などのセレブに人気があったのに、GMが止めてしまったのは陰謀のせいだ…
ネットでこの映画についてふれているブログなどを見ると、判で押したように石油業界の圧力で、10年以上前にすでに実用的で人気があったEVを葬ってしまった、と納得しているものばかりです。そんなはずはない。ブログなどで語られているような内容なら、この映画の主張は全くのトンデモです。明らかに実用的でなかったからこそ消えたのです。
最近三菱が世界初のEV車の市販をするというので話題になっていますが、20年近く前のEV1はまともな電気自動車であったのでしょうか。高すぎて市販できずリースをしていたEV1は市販すると困るほど、100kmから200kmしか走れない、数年で電池の寿命がくる、何倍も値段が高いといったエンジン車ではありえない欠陥品だったはずです。
電気自動車が速く静かに走ることができるというのは当たり前です。慶応大のEliicaという8輪のスーパーEVは走行性能はすごいらしいです。小泉元首相が試乗して喜んでいた報道がありました。3000万円くらいで市販するそうです。Ellicaのような車は世の中にはあまり関係がありません。エコカーでも未来の車でもないです。
映画も見ていないし、EV1も見たことが無くても明らかで、EV1が実用的でなかったのは電池技術が未熟だったからです。EV1は当初鉛蓄電池、次にニッケル水素電池を積んでいました。この7月から市販されるという三菱のi MiEVは軽自動車がベースで、リチウム電池を積んでおり、460万円で、フル充電で100km程度の走行距離だそうです。他人の金で買うことが出来る法人、官庁で実験的に使うのは良いでしょうが、個人で使うには1/3以下のコストになるまでは無理でしょう。それも2台目、3台目の買い物用、近所用専用の車としてです。
電気自動車の技術はEV1以前からありましたが、エンジン自動車に対抗できるような実用的な電気自動車は、これまでにはありませんでした。三菱の電気自動車も大衆が買うようになるまでには10年以上かかると思います。石油業界の妨害など無くてもEV1が勝ち残るチャンスがなかったことは間違いないと思います。
トヨタのプリウスは新しい3代目もニッケル水素電池を使っています。リチウム電池の方がエネルギー密度が高く性能は高いのですが、ノートPCのバッテリーが発火事故を起こしたように製造、管理が難しく、自動車のような悪環境で使う場合にはまだ信頼性がよく分かっていないと想像するのですが、三菱は大丈夫でしょうか。
三菱のi MiEVは5年くらい先には量産効果で黒字にしたいそうです。補助金が140万も出て300万程度で買えるそうですが、300万の使いにくい軽自動車が売れるとは思えません。5年も持たずにあきらめるだろうと予想しておきたいと思います。140万の補助金は無駄遣いと思います。
プリウスは市販されるようになってから10年以上たちますが大きな問題もなくやってきました。これは本当に大変なことだと思いますね。十分な台数の製造ができて、今の価格で利益が出せるのなら、これから10年くらいは乗用車の市場はハイブリッド車中心になるのは間違いないと思います。
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