2010年5月16日日曜日

今週のNYP ニューヨークフィルはもう終わり?

今週のニューヨークフィルのラジオ放送ページのリンクでは、プレイヤーのウィンドウができるだけで中身が出てこない。ダウンロードはもちろん、ストリーミングもできない。単なるエラー?それともフリーダウンロードをさせないように対策を始めた?

以前は1ヶ月分4回程度のプログラムがダウンロード出来るようになっていたが、最近はその週の分だけしかアクセスできなくなっていた。いよいよその時が来たのだろうか?

今週は、「春の祭典」だったのに、残念。

これまで、ニューヨークフィルの公演を28回分、シカゴ交響楽団の公演を15回分、無料で聴かせてもらったので、大いに感謝!それはそれで、残念。

ファイルは売られているので買えば良いのですが、結構高いしラジオ放送のように長時間無料のプログラムがあると、なかなか買う気にならないんですね。音質の違いがわかるような耳も持っていないし。

ラジオ放送は相変わらず行われており、ネットでサイマル放送がされているのですが、ダウンロード出来るような放送はほとんどなくなりました。自動エアチェックソフトのようなものを走らせておけば放送自体は記録出来そうなものですがねえ。

日本ではサイマル放送自体がやっと始まりかけたところで事情はまったく違うし、NHKでは基本的に殆どただでは出さないという状態で話になりません。

メキシコ湾原油流出事故(5/16)

OGJ(5/10)、小さいcontainment dome (top hat)は、海水と油ガスが接する部分が少ないのでハイドレートを作りにくいと期待。4フィートx5フィートと小さく最初からライザーにつけて降ろす(大きいドームは海底においてからライザーをつないだ)。

メキシコ湾掘削事故のトリガーがハイドレートというScienceの記事の元は、APの記事が関係しているかもしれない。誤解が広がらないと良いのですが。 http://bit.ly/a4qYm1 共同の短い記事。誤解を広げそう。 http://bit.ly/bLDSFJ

NYTによると、政府は石油掘削を監督しているMMS鉱物資源局の分割を提案。業界との癒着を批判されたMMSの規制と推進の役割を分ける。

メキシコ湾原油流出事故に関するBPのサイトを専門家に教えてもらった。 http://bit.ly/dAfcZk 上院の委員会でのBP責任者による証言(5/11)のpdfファイルなどがおかれている。

メキシコ湾原油流出事故NYT(5/12) 事故の原因としてBOPの油圧シールの不良が注目されている。ROVで発見されたもので事故が原因で漏れたと思わないとBOP製造業者。

ベネズエラでsemisub rigが沈没。Aban Pearl 幸い 死者はない。原因は不明。チャベス大統領がtwitterで示した。

メキシコ湾原油流出事故対策。Junk shotから? めどがついたか? NYTimes: BP Says Leak May Be Closer to a Solution http://s.nyt.com/u/wz5B

流出する油ガスのビデオについて。 NYTimes: Underwater Video Shows Oil Gushing From Damaged Pipe into Gulf http://nyti.ms/9rcgth

石油開発業界には厳しくなりそう。NYTimes: Obama Vows End to ‘Cozy’ Oversight of Oil Industry http://nyti.ms/c6Zyyv

掘削科学は石油開発技術と深い関係があり、特に海洋、さらに大水深となると、二人三脚で進めて行かないといけないのですが、…

まず、原因究明と対策。図解が面白い。@sciencemagazine BBC News - BP chief backs oil drilling in wake of US disaster: http://bit.ly/anEZPk

BPは、上にかぶせるタイプとライザーパイプに差し込むタイプのtop hatを検討していたが、5/13差込型の設置作業がはじまった。うまく行けば5/15に油ガスの回収が始められる。(OGJ 5/14)

今回事故が発生した開発事業で、日本の石油開発会社がノンオペレータとして10%の権益を保有。本事業に関する保険契約あり、事故原因、業績への影響は現時点では不明、と発表 5/10 http://bit.ly/cgaUPL

RT nytimes Giant Plumes of Oil Found Under Gulf of Mexico http://nyti.ms/9sJ8kw

上記NYTのGiant Plumes of Oil記事。海水を調べたら何層かに石油が混じっている。事故による流出量が、これまで言われている5000バレル/日より多く25,000~80,000くらいではないか?対策で使われた分散剤のために海中に多く溜っているのではないか?海水中にどれだけの量の石油が存在しているかは時間がかかるマッピングが必要でまだわからない。石油を分解する微生物が増殖して酸素を消費し、貧酸素域が生じてそこでは動物等が住めなくなるという予測。

2010年5月11日火曜日

メキシコ湾原油流出事故(5/11)

メキシコ湾原油流出事故関係のNYT記事(5/10) 暴噴防止装置と原理と今回の事故。今回は事故の10日前に点検していたが働かなかった。動作させるには、船上から指令と圧力を送るのが普通。30秒で遮断される。

船上から圧を送れないときは、BOPのアキュムレータの圧を使う。電気信号も圧力も伝えられない時は"deadman device"が動く。しかし、復旧に時間がかかるのでしばしば動いていない。BPによると4/20の事故では働いていない。

ノルウェーやブラジルではバックアップとして音響信号システムを義務付けている。アメリカでは信頼性が十分でないとして反対がある。今回はあったとしても占められなかっただろう。

陸上では人力でも閉められるが、海底ではROVで油圧を供給して閉める(hot stab)しかない。今回これである程度動いた。BOPが故障した場合には、リリーフ坑井掘削以外には、BOPに泥水を追加で供給する方法があるが、海底でのBOP改造が必要。

hirokuni_oda氏のtweetによると、Science誌でメキシコ湾原油流出事故に関係して,メタンハイドレート関与の可能性が議論されている(http://ow.ly/1JkwH).ケーシングに使うセメントが固まるときに熱を出すが,これがハイドレート分解を促進するとのこと.ただ,ハリバートン社は回避策をとっていたらしい.

ハイドレートがセメンチングでとけて暴噴というのは、18000フィート(5500m)までケーシングが入っていることからほとんど関係ないと思う。油ガス層に達しており、セメンチングを含めてその扱いに問題があったのだろう。水深が1500mなので、海底下4000mの作業中の事故である。

Scienceの記事にあるハリバートンが使った発泡セメントについては、今回の事故の可能性のある原因として議論(油層との遮断に失敗)がある。http://infinitevoxels.blogspot.com/2010/05/55.html

ハイドレート回避のためということでなく、油層とケーシングの間を遮断できなかった、ちゃんとセメントの効果が出せていないということ。セメンチングの失敗、ケーシングの不良、BOPの不良が重なったのだろう。

いずれにしても、事故原因についてはネット上で様々な、素人、自称専門家、専門家の意見が飛び交っているが、現在MMSが専門的な調査をしており、その報告書を待つしかないというのが、昨日聞いた専門家の意見である。

キシコ湾原油流出事故原因について、NYT(5/11)に政府の調査状況の記事。セメンチングに問題があった可能性について、発泡セメントは気泡にむらがあるとガスの通り道になるので難しい。窒素を混ぜたもので、坑底に使うのは一般的でないという専門家も。

坑井にリークが発生すれば、泥水のモニターで圧力上昇がわかるはずだが、なぜ対応をしなかったのか?(次の作業を急ぎ?)泥水の代わりに海水の注入を始めたところ泥水で抑えられていたガスが坑内に流れ込み泥水を吹き上げてリグ上での爆発を起こした。

NYT(5/11)には、containment domeの記事もあった。98tのドームはリーク箇所にかぶせたところ漏れた油ガスの85%を集めたが、予想以上に早くガスハイドレートができて詰まってしまった。今度は2tの小型のハイドレートができにくいコンテナを使う。小さいだけに流出する油の回収率は悪いが、海水が少ないためハイドレートができにくい。

また、EPAがハイドレートの阻害剤としてメタノールをドームへの注入の許可を出した。BOPを一部改造して、ゴムの切れ端などを注入して流出を止める、"junk shot"を来週行う用意をしている。

2010年5月8日土曜日

今週のNYP ニューヨークフィル

The Russian Stravinsky I: Gergiev, Symphonies of Wind Instruments, Firebird

Stravinsky Les Noces
Stravinsky Symphonies of Wind Instruments
Stravinsky The Firebird (complete)

Valery Gergiev Conductor
Mlada Khudoley Soprano
Olga Savova Mezzo-Soprano
Alexander Timchenko Tenor
Gennady Bezzubenkov Bass
Alexander Mogilevsky Piano
Youliya Zaichkina Piano
Maxim Mogilevsky Piano
Svetlana Smolina Piano
Mariinsky Theatre Chorus Andrei Petrenko, director

ヨーロッパからの航空便のトラブルで、コーラスが21には間に合わなかったのでLes Nocesの代わりにJeu de Cartesが演奏された。

バレエ音楽 レノス 結婚
管楽器のための交響曲
火の鳥(完全版)

メキシコ湾原油流出事故(5/7,8)

私には事故原因はまだ分からないが、ある業界OBは明らかな人災という意見。来週専門家と会える会議があるので聞いてみたい。JRの訓練にとどまらず、いろいろな影響が出てくるのではないかと。メキシコ湾では二重のBOPを義務付ける話も。

明らかな人災というのは、人が手をつけなければおきなかった災害という意味だった。たしかにそうだが、石油開発や科学掘削をやっていきたいという人々には、今後災害を起こさぬようどうするかが問題。早く原因を解明して欲しい。

メキシコ湾原油流出事故対策としてのcontainment domeの一台目の設置作業が始まる。純粋に技術的に見ても興味深い。NYTの記事に積み出し風景のビデオあり http://nyti.ms/a8nLGY

CNBC にdomeの製作風景を含めたニュース、ビデオがある。"suction cup"という呼び名も。Wild Well ControlというBPと事故対応の契約をしている会社が作った。 http://www.cnbc.com/id/36938181

アメリカで予定されていたバージニア沖鉱区公開にむけたパブリックミーティングをメキシコ湾の事故のため延期 http://n.pr/cz27Rs

OGJにもcontainment domeの記事。5/5に積み出し、5/6遅くに到着、すべて順調であれば5/10に動く。おそらく初期トラブルがある。リリーフ坑井は7800ftまで掘削。事故の損害はTransOceanが払う契約。 http://bit.ly/bs5g3x

NYTによると、メキシコ湾原油流出事故対策のためのcontainment domeは木曜の夜に現場に着いたが、現場は油が混じった水で火災の危険があるので補給船の船長が夜遅くの作業は中断している。夜遅くにはドームを降ろし始めた。これには数時間かかる。

ドームが海底に置かれてから、数日かけて海底のドームと海上の掘削船をパイプで繋ぐ作業を行う。来週初めに稼働できる可能性があるが、この深度では初めての実験的な作業であり、順調に働くまでには1週間はかかりそう。

メキシコ湾原油流出事故関係のNYTのもうひとつの記事は、海洋石油掘削を監督するMMS(Minerals Management Service:鉱物資源局)の責任問題。規制が遅れた? http://nyti.ms/9ecE6u

メキシコ湾原油流出事故について朝日新聞に、containment domeの写真入り記事。NYTによると流出量が1日1万キロリットルの可能性と。6.3万バレル?本当かな?

NYTの記事でBPの重役が現在の10倍の6万バレルの流出の可能性を認めたという部分がある(5/6)。WSJにはこれを述べた文の前に、流出量が増えた場合に備えて物資を用意しているという文がある(5/5)。流出の観察やデータに基づく量ではなさそう。

NYTのMMS記事では、業界との癒着などの問題が書かれている。BOPについては、バックアップシステムの必要性などを目指していたが、査察の間隔を2週から1週間にも変更した。政府の規制はないが、メキシコ湾の掘削では、ROVをバックアップシステムとして用いている。

ROVは遅すぎたり、パワー不足で暴噴の際にしばしば役立っていない。BOPのshear ram (パイプカッター)は最近のパイプを切れない場合がある。BOPの問題が未解決で残っていたかも。MMSを、英国、オーストラリアのように監督と規制の部門に分離する案もある。

OGJの記事5/7によると、containment構造は漏れているライザーの上に置くためにおろされた。ライザーは海底を8フィート掘り込んでいる。現在のリークは、井戸元とライザーで大半はライザーから出ている。ライザーから漏れる油ガスを海上で汲む。

OGJの記事 http://bit.ly/bs5g3x TOは560百万ドルのリグの事故により、401百万ドルの保険を受け取った。BPとの契約では事故関係の諸費用はTOが支払う。アナリストは950百万ドルを超えることが考えられるが、TOは対応出来ると予測。

メキシコ湾原油流出事故についてNYT5/7に生々しいドキュメント記事。事故当時の証言など。事故が起きた4/20の朝にはBPの重役がリグを訪れていた。石油を発見して、開発に移行するために一時的な廃坑作業を終えようという段階だった。

事故原因が考えられるセメンチングの図。可能性があるトラブルとして、セメントが岩石中に漏れた、セメントをセットする時間が短すぎた、発泡セメントの失敗、が考えられるとのこと。掘削中にガスのポケットには時々遭遇していたが大きな問題にはならなかった。

4/20午前11時の会議を終わるとき、一人の監督はほとんど終わったと言った。これを聞いた何人かは、作業が予定より早く完了するボーナスを期待した。午後10時にパイプの外についた泥を海水で洗っていたところ、突然水や泥がパイプから噴出し、天然ガスが続き、数秒の内に火がついた。

2010年5月6日木曜日

メキシコ湾原油流出事故(5/6)

メキシコ湾原油流出事故対策として、NYTによると、封鎖(containment)ドーム設置が試みられる。4階建てに相当する高さで、98tの鉄の箱をリーク箇所に被せる。残る2箇所のリーク箇所の大きい方の上に乗せる。記事に写真 http://nyti.ms/98hDR5

ドームは、リークしている原油を集め、海面にいる掘削船Discover Enterpriseが掘削パイプをストローのようにして汲み上げる。このうような深海で行った実績はない。月曜までに使えるようになり、うまくいけばリークしている原油の85%は回収できる。

NYT記事による懸念事項:この深度で耐えられるか?氷がパイプを塞がないか?天候が悪くなったらどうするか?ガス、石油、水の混合物が組み合わさって船での爆発の危険がないか?

氷(ガスハイドレート)は油の中にガスバブルのようにできる。暖かい水やメタノールを入れて防ぐ。原油は5百万ガロンは船上に貯蔵できる。第二のドームは設置するならBOP直上のライザーからのリークで、これは難しいのでまだ設置するかどうか決まっていない。

NYTの図によると、ドームはケーブルでおろされ、ROVでガイドされてリークしているライザー管を内側に入れる。ドーム中にたまった油ガス水は内側のパイプを通って海上へ、外側のパイプとの間を表層の暖かい水を入れて循環させ氷生成防止。普通の掘削と内外が反対。

NYTの図では、ライザーの先端部(元は沈没していたDeepwater Horizonにつながっていた)から漏れる油を回収するように書かれている。WSJの記事では、3箇所の内最初にリークを止めた箇所について、ROVで壊れた掘削パイプの端にバルブをつけたと書いている。

2010年5月5日水曜日

メキシコ湾原油流出事故続報(5/5)

メキシコ湾原油流出事故の原因究明と流出対策は、天候回復によって進みつつある模様(NYT)。封鎖(containment)ドームがバージに載せられつつある。環境団体、リグ労働者、漁業者の代理人の弁護士がBP、トランスオーシャン、ハリバートンを訴えている。

事故の際にリグにいた労働者の一人が海底から22000フィート以上の掘削を行、しかし会社は18000から20000フィートまでしか許可を得ていないと弁護士は言っている。BPはこれを否定、許可は20211フィートまでで、実際の掘削は18360フィートまで。

他のリグに詳しい労働者は弁護士に、会社はBOPを使ったが海底下200フィートに設置する、最後の切札となる大水深バルブは使わなかった、と語っており、弁護士は会社は資金を節約してこのバルブを使う機会を失ったと言っている。

事故の際にリグにいた6人以上の労働者は、オペレータ(トランスオーシャン)は坑井の仕事を終えることを急いでいたと証言している。これも事故の要因の一つかもしれない。しかし弁護士もすべての事実が判明しているわけではないと言っている。

BPの担当責任者は製作中であったドームは最大のリーク箇所の上に置かれて、集められた油は海面の船までポンプで汲み上げると語った。この作業は浅海では行ったことがあるが、大水深では初めてであり、リリーフ坑井の掘削、シャットオフバルブの設置を含めた他の技術も試みている。天候回復により、作業がより用意になるだろうと言っている。

爆発は、一時的に閉鎖するためのステップの作業である、コンクリートを坑井に注入するポンピングを終わって1日も立たない時に起きた。BPは後日ここに戻り、永続的なリグを設置して石油の生産をする計画であった。新しく掘削した坑井をコンクリートで塞ぐことは坑井を開発する際の決定的なステップであり、多くのリスクを伴っている。コンクリートは非常に専門化していて、調合と撹拌を正しく行う必要がある。坑井にポンプで注入し、その底で外に出て坑井のケーシングの周りを上がってきてしっかりしたシールを形成する。

コンクリートが完全にシール出来ていなかったらしく、後で天然ガスが坑井中に漏れ出した、と弁護士は語っている。しかし、この問題に関わってリグを遊ばせると費用が大きくなる。弁護士は監督者が兆候を見逃したか、無視して、作業を進めたと語った。

労働者が坑井中に高まった天然ガスを抑えていた最後のバルブを開放したときにガスがパイプを駆け上がりリグにまき散らされて火の玉となって11人の労働者が死亡し、けが人を出し、リグを沈没させたと弁護士が言った。

月曜には、業界の専門家が爆発の原因に関する理論を述べた。
FBR Capital Markets社のアナリストは、セメンチングの不良でアニュラス圧が高まりケーシングの破壊を引き起こした。そしてBOPのツールジョイントや掘削パイプが破壊あるいは歪んでBOPがシールできなかったという問題が重なっておきたと推定している。

元シェルの技術者重役であったKen Arnoldは機械と人の間違いが原因であった可能性が高いという。一時的なプラグは坑井の底に作られる必要がある。セメントプラグの問題というのはそれをテストしたときにちゃんとテスト出来ていなかったという可能性、またはガスが循環する経路がセメントプラグの周りにできたという可能性だ。

MITのTechnology Reviewサイトに、現状のまとめ記事 http://bit.ly/9RvmOm。 現状の大水深掘削技術の安全性の確保の手段としては、BOPのみに頼ってきた問題がある。これまでに、1000mを超える大水深では、浅海での技術は不十分と指摘されていた。独立した2台のBOPが義務付けられるかもしれない。環境運動家からは、安全、浄化が未確立では掘削を禁止との意見もある。