Slumdog$Millionaire
久しぶりに読んだのがこれで、上野駅の本屋で大量に売られていました。当然アカデミー賞の影響で、題名も元は違う名前だったものが映画の題名に変えて再発売と表紙に書かれ、映画の登場人物の写真も出ています。
映画は見ていませんが、小説は面白いです。インドのムンバイ周辺のスラムで孤児として育った少年がテレビのクイズ番組で正解を出し続けて、大金をゲットする?!という話です。なぜ正解を出し続けられたかというがスラムで育った様々な人生経験がたまたまクイズの問題にぴったりだったという話で、ファンタジーです。このクイズ番組がみのもんたさんが「ファイナルアンサー?」とにらみつけるという日本でもあった番組と同じ型のものなんですね。単純な問題で、何問か正解するとどんどん賞金が高くなっていくのですが、十万円くらいで止めて降りれば賞金をもらえるのですが、欲をかいて高い賞金をねらうと途中で降りられないし急に難しくなるというものです。イギリスやアメリカに元のクイズ番組があるようです。
少年の様々な経験というのがひどい話ばかりで、聖職者の性犯罪、スパイ、殺人、テロ、強盗、戦争などさまざまな事件の中で翻弄される少年から、インドの社会が描かれています。ひどい事件ばかりですが、ユーモアがちりばめられていて、少年の事件や社会に対する、けなげなまた達観した生き方が共感をよび、なかなか止められないおもしろさです。
面白いと思ったのが、ムンバイにある昼食弁当の集配業のことです。貧しい少年達を使って、住宅街の勤労者の家庭から弁当を集めて、オフィス街の当人のオフィスまで届けるという仕事があるのですね。主人公の俳優になることを目指している親友がこの仕事をしていました。スペルを忘れてしまいましたが、Googleでムンバイの弁当配達と引くと、ダッバ・ワラ(Dabbawala)というようです。人件費が違うと違う産業ができるのですねえ。
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