慶大の清水教授とベネッセが、Sim-Drive(シム・ドライブ)という電気自動車EVのベンチャーを設立、というニュースがありました。1回の充電で300km走れる5人乗りEVの量産販売を13年をめどに目指すというのですが、メーカーにEV製造技術のライセンスを供与して、行うというのですからこの会社で製造するのではないです。バッテリーはリース方式で初期費用は車両価格で150万円程度に抑えるそうです。清水先生は、EVのスポーツカーEliicaの開発で知られる先生です。
これだと、日産「リーフ」に対抗するEVになりそうです。リーフの場合は価格は未発表ですが、バッテリーをリース方式で初期費用を下げる、という話は同じです。
「バッテリーがリースなので、価格競争力がでてくる」という発想ですが、リース代金はどの程度になるでしょうか。自動車評論家の国沢光弘さんは、「1万km走行毎に10万円程度か?(All about)」と推定しておられますが、三菱iMiEVのバッテリーは250万以上と言われています。リーフは24kWhでiMiEVは16kWhです。リーフのバッテリーは300万円以上すると思われますが、もし10年使えるとしても、年30万円以上のリース費用が必要なはずです。普通の自家用車は年間1万kmも走らないので、営業車以外ではとても国沢さんの予想は成り立ちそうもありません。
Sim-Driveの技術はEliicaでも使われているインホイールモータですが、これがコストを下げることにどのように役立つのかは不明です。Eliicaは値段よりも高速走行性能を目指すスポーツカーとしては良いですが、経済的な走行性能を持つ実用車のベースにする・できる車ではないと思います。走行距離を2倍にできる、というのが本当ならそれは魅力ですが。i-MiEVでも、元はインホイールモータで開発されていた時期もあるのですが、市販にむけてあきらめたのだそうです。
Sim-Drive社の前途も容易な道ではないと思います。
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