2009年5月19日火曜日

インフルエンザ対策の見直し

今頃になって今回のインフルエンザに対する過剰反応に対する揺れ戻しがはじまった。1週間で見直すらしい。遅すぎるがやらないよりはましだ。橋下知事が大臣に頼み込んで動き出した形になった。厚労省も一旦広げた風呂敷をどうやってたたんでいくか困っていたところだったので、渡りに船といった要望だったのだろう。

感染確認自体はこれから関東にも広がるはずだが、いったい検査はどの程度やっているのだろうか。関西の確認数を増やしていくだけで手一杯でなんてことがないとよいのだが。なにしろ、神戸の高校の感染が確認されなかったのは渡航歴がないものは無視するという誤った方針のせいなのだったから。

メキシコ、アメリカで患者が増えている間に、想定していたトリインフルエンザとはまったく致死率が違うことは明らかだった。それなのに、ざるのような空港の検疫のために一生懸命にがんばるというとんちんかんな対策で国内感染を見つけられず国際的に恥をさらした。この間の、企業、大学などの渡航禁止はトリインフルエンザへの対応なら理解できるが、今回の豚インフルエンザに対しては、そして大量の一般観光客を野放しにしている状態では意味がなく全くナンセンスだった。

うちから第一号が出たらたたかれるから、という事なかれ主義のためにナンセンスな横並び対策に逃げるという前近代的な対応だった。政府がトリインフルエンザのパンデミックだけを想定した結果としてはいい加減な行動指針を決めていたから身動きが取れなかったというエクスキューズはあると思うが。

今回の馬鹿さわぎが良い教訓になればよいけれども、逆に将来の危険な感染症に対して過剰反応という批判が出て今度は無謀な対応で失敗するなどという情けないことになりそうな気がする。

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